ソフトバンクは1964~66年の南海時代以来、60年ぶりとなるリーグ3連覇を果たした。若手と主力が融合し、2位に大差をつけた戦いの勝因を探る中で、チームトップの12勝を挙げて飛躍的な成長を遂げた前田悠伍投手の存在が際立つ。
前田悠伍、投球回が劇的に向上
前田は「ミスター5回」と呼ばれた過去があったが、今季は投球回が劇的に向上。「勝てたことも大きかった」と振り返る。チームトップの12勝は、先発陣が計算できない中での大きな支えとなった。
小久保監督は今季、先発のやりくりに頭を痛めた。「去年は3週間先ぐらいまでローテーションを組んでいたが、今年は1週間先を組めない」と漏らすほど、事態は深刻だった。
先発陣の離脱と「逆算」の運用
昨季の優勝は「10勝カルテット」が原動力となった。しかし、最多勝の有原が日本ハムに移籍。モイネロはコンディションが整わずに出遅れ、開幕投手を務めた上沢も右肘の故障で離脱した。不振の大関も一軍と二軍を行き来し、先発陣が計算できなくなった。
そこで首脳陣は、戦力がそろう救援陣の力で勝つ「逆算」の運用に着手。倉野投手チーフコーチは「最初から100%を出してスタミナが持たなくなる方が、勝つ確率は絶対に高い」として、先発に初回から全力投球を求めた。
倉野コーチの成功体験と若手起用
この考え方は、工藤公康元監督時代に倉野コーチが千賀(米メッツ)らを育てた時に学んだものという。「成功体験を積み重ねていくと、ペース配分もできるようになる」と、実戦で鍛える戦略だ。
育成から支配下登録した藤原ら3投手をデビューさせるなど、登録と抹消を繰り返しながら調子がいい投手にチャンスを与えていった。



