今夏の全国高校野球選手権大会(甲子園球場)では、酷暑対策として朝夕に試合を分けて行う「2部制」の期間が拡大され、一定の効果を上げている。今大会は試合を行う時間帯を変更し、選手で熱中症が疑われるケースが昨年の半数となった。出場校の様々な試みも奏功しているようだ。
2部制の拡大と時間帯の見直し
球児を守るため、日本高校野球連盟は2018年に延長タイブレイク制を導入。2020年には白色のスパイクの使用も認めた。2023年に五回終了後に体を冷やす「クーリングタイム」も設け、2024年には午前中の試合に臨む選手におにぎりなどの提供を始めた。
2部制は2024年から導入。6日間19試合の予定だった昨年から、今年は10日間33試合に増やした。また、昨年は午前に8時、10時半開始の2試合、午後は4時以降に2試合を行っていたが、今大会は午前を8時開始の1試合にし、午後1時半から3試合を行う形式で進めた。過去3大会で熱中症疑いの発生が最も多く、気温が上昇していく午前10時半~午後1時頃を避けるためだ。
午後5時半以降に試合が始まる「ナイター」も、昨年の5試合から今年は9試合に増加。最も試合終了が遅かったのは、第3日(7日)の午後9時半だった。
各校の好意的な反応と熱中症減少の実績
各校の反応は好意的で、1回戦が午後1時半開始だった横浜(神奈川)の村田浩明監督は「(試合終盤に向けて)気温が下がっていくので、やりやすかった」と歓迎。5日夕方の開幕戦で本塁打を放った仙台育英(宮城)の田山纏選手(3年)も「コンディションばっちりで試合に入れた」と話した。
大会本部によると、2部制の時間帯で行われた第10日(14日)までの33試合で、選手の熱中症疑いは9件。天候の違いなどはあるが、昨年の第10日終了時点(32試合)の19件から半減した。志方浩文・大会本部委員長は「プレーする選手がどう感じたかが大事。よりベターな方法を考えていきたい」と力を込める。
出場校による独自の暑さ対策
出場校も知恵を絞る。享栄(愛知)は愛知大会で濃紺だった帽子やヘルメット、ソックスなどを甲子園では白色に変更。青森山田(青森)は、甲子園用に襟やボタンがないメッシュ素材のユニホームに新調した。発案した兜森崇朗監督が「着ている感じがしないくらい」というほど軽量で、涼しさと疲労感の軽減に役立てた。



