サッカーのワールドカップ(W杯)北中米3か国大会は14日(日本時間15日)、準決勝の1試合が行われ、スペイン(世界ランキング2位)がフランス(同3位)に2-0で快勝し、4大会ぶりの決勝進出を果たした。決勝は19日(日本時間20日)に行われる。フランスは3位決定戦に回った。(世界ランキングは6月11日時点)
スペイン、攻守に圧倒
優勝候補同士の対戦でスペインが攻守に圧倒した。22分にオヤルサバルがPKを決めて先行し、58分にはポロが2点目を挙げて突き放した。フランスは終盤に猛攻を見せたが、相手の粘り強い守備を崩せず、3大会連続の決勝進出はならなかった。
サッカーにおける最高の機能美を欧州王者のスペインが披露し、最高の個が集ったフランスを組織で圧倒した。
スペインは22分、ヤマルが獲得したPKをオヤルサバルが決めて先制し、完全にペースを握った。アンカーのロドリが最終ラインに下りれば、ルイスが中盤の底に移り、最前線のオヤルサバルが中盤に下がる。選手たちは自動化されたかのように、近い距離感を保ちながらぐるぐるとポジションを入れ替えてパスコースを作り、テンポ良く正確にボールを回していく。
奪われても近くの選手がすぐに奪回し、またパスを回し始める。世界選抜のようなフランスのアタッカー陣も、それを無為に追いかけることしかできない。58分、右サイドバックのポロが、前線中央にいたオルモとのパス交換から追加点を挙げて勝負あり。ポロは「夢が現実になった」と破顔した。
選手交代と警告
【交代】(フ)ラクロワ=30分サリバ、コネ=46分ラビオ、ドゥエ=57分バルコラ、シェルキ=72分オリセ、T・エルナンデス=72分ディニュ(ス)トレス=74分オヤルサバル、メリノ=77分オルモ、ペドリ=77分ルイス、ウィリアムズ=83分バエナ、リョレンテ=83分ポロ
【警告】(フ)ラビオ、エムバペ(ス)ククレリャ
スペインの組織力、監督の自信
スペインは幼少期から、ポジションごとの動き方をたたき込まれる。全員が共通の絵を描けているから、どこの位置に移っても、あうんの呼吸で連係できる。デラフエンテ監督は「あらゆる局面を的確に読み解き、最善のプレーができた。私たちはピークに達していると言える」と自信満々だ。
メッシのように曲芸のようなプレーをするのはヤマルくらい。その他の選手は一見地味でも最高級の頭脳と技で、スペインでしか成しえない究極のフットボールを実現させている。オヤルサバルは言う。「皆が同じ方向を向き、同じ考えを持ち、持っているものをチームにささげている」
充実の時を迎えたスペイン。2度目の頂点へ、死角はない。(星聡)
19歳クバルシ、攻守に存在感
スペインのクバルシが、この日も出色の出来を見せた。フランスの強力な攻撃陣にもひるまず最終ラインを高く保ち、30分過ぎには意表をついてドリブルで前進するなど、攻守に存在感を発揮した。チームは今大会まだ1失点。名門バルセロナでも主力を任される19歳のセンターバックは、「全てがうまくいった。素晴らしい仕事ができていると思う」と胸を張った。
スペイン・デラフエンテ監督 「今回の勝利を喜びつつも、ここで満足して立ち止まるつもりはない。あと一つ。最後の、そして最も困難な一歩が残っている」
フランス機能不全、エムバペ枠内シュート0
敗北を告げる笛の後、フランスのエムバペは静かにピッチを去った。「落胆している。決勝に進み、新たな歴史を作るのが夢だったのに今は言葉が見つからない」。仏テレビ局に話しただけで、取材ゾーンを通らずスタジアムを後にした。
日頃からスペイン勢を相手に戦うレアル・マドリードのストライカーも、この日は持ち味を消された。ディフェンスラインの背後へ飛び出した場面はオフサイドの判定となり、シュート3本はいずれも枠外。プレスも次々とかわされ、「我々が思ったようにプレーさせてもらえなかった」とうなだれた。
ジルーという前線に構える相棒がいた前回大会と違い、今回はピッチ上のアタッカー4人で自在に動きながらゴールを重ねている。前戦で20の節目に達したW杯での通算得点数は、進化と成熟の軌跡でもある。
仏代表としてW杯最多の21試合目となった一戦で輝けなかったエースは、潔かった。「客観的に見て、決勝に行くために必要なプレーはできていなかった」。まだ、2大会連続の得点王が懸かり、デシャン監督のラストマッチとなる3位決定戦は、残されている。(平地一紀)
PK献上や警告、堅守にほころび
決勝トーナメント1回戦から準々決勝まで無失点だったフランスにとっては、守りで誤算が相次いだ。ディニュは浮き球を処理した際、意図せずスペインのヤマルを蹴る形になり、先制点につながるPKを献上。センターバックのサリバは30分に負傷交代し、ボランチのラビオも試合開始早々に警告を受け、前半だけで退いた。ラクロワは「我々の日ではなかったが、前に進むための後押しにはなる」と受け止めた。
フランス・デシャン監督 「スペインは非常に強かった。サリバの負傷やラビオの前半の警告により、我々はベストを尽くすことができなかった。審判のいくつかの判定には疑問が残る」



