ミラノ・コルティナ冬季五輪スノーボード男子ビッグエアで銀メダルを獲得した木俣椋真(23)=ヤマゼン=が、ボートレーサーへの転身を目指していることが16日、関係者への取材で明らかになった。木俣は既に全日本スキー連盟(SAJ)の強化指定選手を辞退しており、スノーボード競技からの引退を表明。新たな競技人生のスタートを切る準備を進めている。
五輪後の転向、若手台頭が契機に
木俣は昨夏から、ミラノ・コルティナ五輪を最後にスノーボードを離れることを検討し始めた。若手選手の台頭が著しい中で、「年齢を重ねるにつれてけがもしやすくなるし、技の向上も難しくなる。最後だと思ってやりきりたい」と語り、集大成として臨んだ五輪で銀メダルを獲得。有終の美を飾った。
五輪後の春に実施されたボートレーサーの一般試験には間に合わなかったが、トップアスリートを対象とした特別試験に合格すれば、来春に福岡県柳川市にあるボートレーサー養成所に入所する。その後、2028年4月のデビューを目指すという。
輝かしいスノーボードキャリア
名古屋市出身の木俣は、2019年の世界ジュニア選手権、2020年のユース五輪、そして2025年の世界選手権で優勝。スロープスタイルでも2023年の世界選手権で2位に入るなど、トップ選手として長年にわたり活躍してきた。その実績が評価され、ボートレーサー特別試験の対象となったとみられる。
スノーボード競技では、ビッグエアとスロープスタイルの両方で世界トップクラスの成績を収めてきた木俣。しかし、競技の過酷さと年齢による体力面の変化を感じ、新たな挑戦を決意した。
ボートレーサーへの道のり
ボートレーサーになるには、一般試験またはトップアスリート対象の特別試験に合格し、養成所で約1年間の訓練を受ける必要がある。木俣は特別試験の合格を目指して準備を進めており、実現すれば、冬季五輪メダリストがボート界に参入する異例の転身となる。
木俣は「スノーボードで培った集中力やバランス感覚を生かしたい」と意気込みを示している。ボートレーサーとしてのデビューは2028年4月を予定。それまでの訓練期間で、基礎から徹底的に学ぶ方針だ。
競技人生の新たな章
木俣の転身は、冬季五輪メダリストが夏の競技に挑む珍しいケースとして注目を集めている。スノーボード界では、若手の台頭により競争が激化しており、木俣の決断は一つの選択肢として受け止められている。
関係者によると、木俣は既に体力作りを開始し、ボートレーサーに必要な筋力トレーニングに取り組んでいるという。特別試験の日程は未公表だが、年内にも実施される見通し。合格すれば、来春の養成所入りが正式に決定する。
木俣は「新しいことに挑戦するのは怖いが、やりがいがある。最後だと思って全力を尽くしたい」と語り、新たな舞台での活躍を誓っている。



