金メダリスト日下尚が解説、安青錦の相撲に凝縮されたレスリング技術
安青錦の相撲にレスリング技術凝縮 金メダリスト解説

綱とりに挑戦した春場所から約4カ月。大相撲名古屋場所(12日初日)は、けがで番付を落とした関脇安青錦(22、安治川部屋)にとって、捲土重来を期す場所となる。その相撲は、アマレスリングの経験を生かした独特な取り口だ。随所に見え隠れする安青錦の「技」のすごさを、パリ五輪の男子レスリング・グレコローマン77キロ級で金メダルを獲得した日下尚(25)が解説した。

「これはもう、レスリングです」

日下は断言する。「これはもう、レスリングです。レスリングの延長として、相撲を取っている」。幼少からレスリングとともに相撲に励み、「押し出し」のような相撲の技を効果的に使って、外国勢に「相撲レスラー」と恐れられる日下ならではの視点だ。

金メダリストが注目した一戦が、安青錦が小結だった2025年秋場所の12日目、横綱豊昇龍との一番である。

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立ち合いの低さと小手投げのいなし

立ち合い、安青錦は低く当たる。横綱は突っ張って相手の上体を起こそうとするが、果たせない。横綱が反撃して前へ出ると、安青錦は半身で左下手を引き、勢いを駆って寄る。押された横綱は、右で相手の左脇をきめ、小手投げを打つ。

日下はこの場面をこう分析する。「投げの瞬間、安青錦は左手をまわしから離しています。まわしを持っていると、相手の小手が効いてくる。手を離し、かいな(腕)を返すことで小手の勢いを逃がし、バランスを取っています。苦し紛れの相手の投げをむしろ『ごっつぁん』としている」。このように、レスリングで培った体の使い方が、相撲の技術と融合している。

安青錦の挫折と再起

安青錦は春場所で綱とりに失敗し、その後けがで番付を落とした。しかし、この名古屋場所で再び上位を狙う。日下は「安青錦の相撲は、レスリングの技術が凝縮されている。特に、相手の力を利用して反撃するスタイルは、グレコローマンの技術そのものだ」と評価する。

安青錦は幼少期からレスリングと相撲を両立してきた。その経験が、独特の取り口を生み出している。日下は「彼の相撲を見ると、レスリングの動きが随所に出ている。これからの場所で、さらに進化した姿を見せてほしい」と期待を寄せた。

名古屋場所への展望

名古屋場所は12日初日。安青錦はけがからの回復が鍵となるが、日下の解説にもあるように、その相撲の質は高い。レスリングの技術を生かした独自のスタイルで、再び優勝争いに加われるか注目される。

日下は最後に「安青錦の相撲は、レスリングファンにも見てほしい。新しい相撲の可能性を感じさせる」と語った。

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