元大関の小錦八十吉が、自身の相撲人生を振り返る連載「SUMO LIFE」の第6回では、師匠である高砂親方(元横綱朝潮)から徹底的に叩き込まれた「突き押し」の技術について語っている。強くなりたい一心で、毎朝早く稽古場に下りて相手にぶつかり、目の前の相手を吹っ飛ばすことだけを考えていたという。
兄弟子との稽古で闘志を燃やす
番付の社会では、強くなれば番付も上がる。自分に対して理不尽な仕打ちをする兄弟子との稽古では特に燃えたといい、稽古場で「お返し」をすれば、嫌な先輩も自然と黙るようになったと振り返る。鳴り物入りでプロ入りした服部(右)には、闘志を燃やしてぶつかったと当時の写真とともにつづっている。
親方の厳しい指導
師匠の高砂親方(元横綱朝潮)は厳しい親方だった。今の時代ではNGかもしれないが、弟子の稽古場での態度が悪いと、容赦なく竹刀で気合を入れてきた。小錦は徹底して「プッシュで行け」と言われ、まわしを取るとすぐにたたかれた。それでも親方は、自分の大きな体を生かすには何が大事かを考えてくれたのだと思うと語る。技がない自分には、突き押しで体重とパワーを生かすしかないと思ったのだろうと推測する。
突き押しが生んだ現在の小錦
幕下に上がった頃、まわしを取って白星を挙げて部屋に戻った際には、「何であんな相撲を取るんだ」とこっぴどく怒られたこともあったという。しかし、親方が徹底して突き押しを仕込んでくれたからこそ、今の小錦があると感謝の思いを述べている。



