「ホッケーの町」小矢部市でインド代表が合宿 世界レベルのプレー間近で
小矢部市でインド代表がホッケー合宿 世界レベルのプレー間近で

19日開幕の愛知・名古屋アジア競技大会(読売新聞社協賛)を前に、ホッケー競技のインド代表選手らが小矢部市で合宿を始めた。同市は日本ホッケー協会が認定する「ホッケータウン」で、世界レベルの選手らの来訪に期待が高まる。

雨の中、実戦形式の練習

9日午後、小矢部市杉谷内の「小矢部ホッケーフィールド」では、インドの女子代表選手ら約20人が、大粒の雨が降る中、ボールがスティックに当たる鋭い音を響かせながら実戦形式の練習を繰り返した。

インド選手、スタッフら約60人は、岐阜県で行われるアジア大会のホッケー競技に備え、9日から小矢部市で合宿に入った。インドは男子が2024年のパリ五輪で銅メダルを獲得するなど、五輪で通算13個のメダルを獲得した強豪だ。

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市民との交流も計画

同市が選ばれたのは、国際ホッケー連盟公認のホッケー場の存在や、過去にパキスタンの選手らがここで練習試合をした実績が評価されたためだ。14日までの合宿では市民との交流もあり、12日には小中学生へのホッケー教室や、市長らが参加する歓迎式典が予定されている。

同市に拠点を置く「小矢部RED OX」の沼田秀樹監督(56)は合宿受け入れに中心的な役割を果たしており、「子どもたちが世界トップレベルの選手と触れ合い、技術だけでなく文化面でも学ぶ貴重な機会だ」と期待を語る。同チームの茶木裕史選手は「パス回しが正確で、動きに柔軟性がある」と興奮し、「トップレベルのプレーを見られるのは貴重だ」と話した。

食事にも配慮

合宿では食事も重要だ。インド選手らは宗教上の理由で牛肉が食べられないなどの禁忌があり、遠征では食事の不安がつきまとう。9日の昼食には射水市で料理店を経営するインド出身のフェイズ・マースド・アリさん(59)が呼ばれ、チキンカレーなどインド料理を振る舞った。フェイズさんは同日午前6時から仕込んだといい、「祖国に優勝してほしい」と話した。

インド女子代表を率いるシュード・マレイン監督は「小矢部は緑が多く、空気もきれいで、練習するにはよい環境だ」と褒め、「チームも良い雰囲気になってきた。金メダルを目指す」と意気込んだ。

ホッケーの町の歩み

小矢部市にホッケーが根付いたきっかけは、1958年の富山国体だ。合併前の旧石動町の石動小学校が競技会場となり、以降、小中高校の児童生徒らが本格的にホッケーに取り組み始めた。特に60年の国体で石動高校のチームが初優勝を果たすと人気が広がり、地元企業の実業団チームも作られ、選手が他県からも集まった。

しかし、実業団チームはその後、企業の経営悪化などで事実上の廃部に。富山を離れる選手が相次いだ。それでもホッケーへの情熱は消えず、形を変えて残った社会人チーム「小矢部RED OX」を中核に、2022年には県内のホッケーチームを一元化した「RED OX OYABE HOCKEY CLUB」が誕生。幼児から高校生まで加わり、25年時点で男女278人が所属している。

沼田監督は「トップクラスの選手が子どもたちを指導し、子どもたちが選手を応援する良い循環が生まれている」と語る。

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