第39期竜王戦本戦準々決勝が7月18日、大阪府高槻市の関西将棋会館で行われ、後手の服部慎一郎七段が菅井竜也八段に快勝した。服部七段は△8四歩で中飛車の馬を押さえ込み、菅井八段の剛腕を封じて夕食休憩前に勝利を決めた。
関西対決の行方
この対局は、決勝トーナメントのベスト4入りをかけた関西対決。1組3位の菅井八段と2組優勝の服部七段が、5階特別対局室で盤を挟んだ。
振り駒で先手となった菅井八段の初手は▲5六歩。中飛車宣言だった。近年は居飛車党が席巻する中、菅井八段は振り飛車党として意地を見せている。1組3位決定戦の森内俊之九段戦でも先手中飛車でねじり合いを制しており、験を担いだ可能性もある。
服部七段の工夫
後手の服部七段は、飛車先を8四で止めたまま駒組みを進める工夫を見せた。解説の村山慈明八段は「中飛車のさばきを封じる狙いでこのところ指されるようになった指し方です」と説明した。
対して菅井八段は▲6六歩の新手を採用。この手はいきなり後手に勝負を突き付ける手で、▲5七銀との二択によって将棋の性格が大きく変わるという。
村山八段は「▲6六歩に代えて▲5七銀△6四銀▲6六銀と進む手順がよく指されている銀対抗で、比較的穏やかな持久戦になります。ただし、その持久戦は先手からの打開が難しく、振り飛車が待つ形になる。菅井さんは、何か新機軸を打ち出そうとしたのだと思います」と指摘した。
勝負の分かれ目
▲6六歩に△6四銀と出たらどうなるかが最初の勝負どころだった。村山八段は「△6四銀には▲6五歩△同銀▲6七銀です。昔からある筋ですが、後手の△8四歩型が珍しい」と解説。以下、銀桂交換の形になれば先手の言い分が通るが、△7二飛▲4八玉△3二玉▲8六角という変化も考えられるとした。
相手の意図を察した服部七段は△3二銀と指し、先手の5筋歩交換を待ってから△7五歩と仕掛けた。これも▲6六歩型の弱点を突こうとする動きだった。



