バスケットボールの「Bリーグ・プレミア(Bプレミア)」が22日に開幕する。昨季にチャンピオンシップ(CS)で初勝利を挙げた群馬クレインサンダーズで社長を務める阿久沢毅さん(66)が、新シーズンへの思いや目標を語った。
新リーグでの集客戦略
今季から新体制でスタートするBプレミア。サンダーズは26クラブのトップカテゴリーで戦う。阿久沢さんは「試合開催日が分散されるのが大きな特徴だ。今までは土日と水曜日が既定路線だったが、月、火もあり、サンダーズの開幕戦は木曜日。興行する側として集客面の不安がある」と話す。
「平日午後7時からのナイトゲームにお客さんが来てくれるのかと。リーグ側の目的は、できるだけ試合がかぶらないようにし、1試合ごとの注目度を上げること。シーズンシートの売り上げは上がっており、アリーナの約5000席のうち約2000席がシーズンシートで売れているので、残る3000席をどう埋めるか。平日も埋められるように頑張る」と意気込む。
これまでの集客について「3シーズン連続で満員となり、びっくりした」と振り返る。「社員は頑張ってチケットを売り、いろいろな仕掛けもしているが、バスケの認知度が急激に上がった影響もある。メディアに取り上げられ、テレビでも放送され、多くの人が『ちょっと面白そうだな』と思っており、日本代表の活躍でファンも増えている」と分析する。
選手強化とファン拡大
今季のスタッフは17人で昨季の14人から増やした。「昨季は選手の故障で苦しんだので、トレーニングや体のメンテナンスも含め、よりレベルの高いものにしていこうということだ。まずはけがをさせない。けがをしたら、どう回復させるか。選手のコンディション作りに力を入れる」と説明する。
ファンの広がりについては「サンダーズは前橋から太田に移転した。ファン層は当初、太田に傾いたが、だんだん円が大きくなり、戻ってきたと感じる。その要因は一気にアリーナまで建設したスピード感だ。アリーナに来て一番感動するのは、音と光。日本最大級のセンタービジョンがあり、音響もいい。その力は絶大で、観客は『また来たい』と思ってくれる」と語る。
約5000人のキャパシティーについては「ギュウギュウだと雰囲気が出るみたいで、スカスカより全然いい。平日開催に7000席だと(客席を埋めるのが)きつい。5000人の収容は、みんなが熱狂できる場所という意味では最高だ」と話す。
将来の目標とクラブの現状
将来的な目標について「クラブとしてナンバーワンになること。2シーズン連続でCSに出て、昨季は千葉ジェッツに初戦は勝った。5年前は想像できないことで、ビッグクラブと肩を並べられるとわかった。伝統的なクラブに食い込み、常に優勝争いができるようにしたい」と強調する。
「それを実現すると、群馬県民が熱狂するのではないか。太田では優勝への期待感が高く、優勝すれば本当に景色が変わる。その時はパレードをしようと思っている」と話す。
人気が高まった理由については「強さだと思う。応援しがいのある結果は大事。選手を強化しつつ、結果を出すことを何年か繰り返すことでお客さんは増えるのだと思う。とにかく勝つことだ」と語る。
後援会は約820社、スポンサーは約230社に上る。「ほとんど群馬の企業だ。サンダーズへの期待感が高まっているのが、そういうところでもわかる」と話す。
球児から社長へ
桐生高時代に春夏連続で甲子園に出場した阿久沢さん。1978年春の選抜大会では2試合連続本塁打を放つなど活躍し、4強入りした。プロからも声がかかったが群馬大に進んだ。「(プロの世界への興味が)あまりなかった。自分に対する評価って何なのだろうというのもあった」と振り返る。
高校4校で野球部の監督を務め、定年の1年前、59歳でサンダーズ社長に転身した。「(クラブオーナーのオープンハウスグループから)声をかけられた時はびっくりしたが、ちょっと面白そうだから、やらせてもらおうかなと。ジャージーからスーツ姿になったが、野球関係者が応援してくれて、野球をやっていたことが生きているなと思う。今までのことが無駄になっていないと本当に思える」と話す。
「野球を通じて子どもが元気になればいいと思ってきたが、これからはバスケを通じて群馬の人が元気になればいい」。教育の現場からプロスポーツの現場に変わっても、他者への思いやりは変わらない。



