第108回全国高校野球選手権大会第11日の15日、大阪府代表の履正社は3回戦で三重(三重)に2-5で敗れた。序盤の失点が響く中で初戦で活躍した主戦・木村(3年)が好投し、打線も終盤に意地をみせたが、あと一歩及ばなかった。
序盤の失点が響く
この日の先発は、府大会準決勝で完投した左腕・上山(2年)。だが、制球が定まらず守備の乱れなどもあり一回で3点、二回に2点を失う。投手は石橋(3年)に代わり、三回途中から木村が登板。捕手・三木(3年)の好判断による併殺といった堅守も加わり、次第にリズムを取り戻す。
スタンドから見守っていた木村の母、美和子さんは「何とか流れを取り戻してほしい」と願った。
終盤の反撃も実らず
その後は相手投手陣の好投に攻めあぐねるも、七回に意地をみせる。指名打者の5番北西(2年)が二塁打で出塁。2死三塁の場面で代打の大山田(3年)が適時打を放ち、1点を返す。「今までの練習が全部こもった一打になった」と大山田。母の華さん(43)も「やってくれると思っていた」と話した。
続く代打の西尾(2年)も安打で出塁し、2死一、二塁として1番岩本(3年)の適時打で1点を加える。岩本は「普段は試合に出ていない代打の2人がつないでくれたので、(本塁に)『かえさないといけない』との思いだった」。父の有史さん(43)が「このチャンスでよく打ってくれた」とたたえる一打だったが、後が続かなかった。
木村の振り返り
初戦で167球を完投し、この日も奮闘した木村は「0点で抑えてチームに流れを持ってこようと思った。テンポ良く投げて、自分のできることはやった」と振り返った。
履正社の2番を任された竿谷凛斗は今大会屈指のスピードスターだ。50メートル5秒8の俊足を誇り、この夏だけで6盗塁。走塁やバントを重んじる履正社の野球に合致するプレーで、チームをもり立てた。
野球を始めたのは小学2年のころ。そこで出会ったのが、現在は帝京大に通う森田大翔さん(21)。小中学校の先輩にあこがれ、追いかけるように履正社への進学を決めた。もともと足には自信のあった竿谷。「少しでも塁に近いところから足をいかしたい」と、2年次にそれまでの両打ちから左打ちに統一。課題としていた打撃の強化にも積極的に取り組み、最後の夏のスタメンを勝ち取った。
足でかき回すプレースタイルは聖地でも健在だ。三重戦では、先頭の岩本を進めるバントを絶妙な位置に転がすと、一塁まで駆け抜けて内野安打に。「百点満点」と振り返る打席だった。スタンドで見守る父の直人さん(45)は「普段通りの仕事をしてくれている」と落ち着いた表情で息子の晴れ姿を見守った。
履正社は伝統的に走塁や犠打で後ろにつなぐチーム。試合には敗れたが、「自分が教えられることはすべて後輩に託した。またここで後輩の姿を見たい」。竿谷の培った3年間は後輩たちが目指す次の甲子園へとつながっている。
◇多田晃・履正社監督「木村はエースのピッチングを最後までしてくれた。粘って点を取れたが、前半の失点が響いた」
辻竜乃介・履正社主将「(ベンチ内で)『失点されても打者がカバーする』と言っていたが、勝ち切れなかったことは悔しい」



