甲子園で6校採用の応援曲「チャンス紅陵」、元祖・拓大紅陵が意地を見せる
甲子園で6校採用の応援曲「チャンス紅陵」、元祖・拓大紅陵が意地

今夏の全国高校野球選手権大会(甲子園球場)で初戦を突破した拓大紅陵(千葉)が、40年前から使うオリジナル応援曲「チャンス紅陵」で注目を集めている。躍動感ある旋律が人気で、出場49校のうち同校を除く6校が採用する中、24年ぶりに「元祖」が登場したためだ。記録的な豪雨で被災した地元・千葉への応援にもなるよう、拓大紅陵吹奏楽部は「オリジナルの意地を見せたい」と張り切っている。

初戦で得点機を後押し

佐賀商(佐賀)との初戦が行われた12日、「チャンス紅陵」は文字通り、得点機でナインを後押しした。初回、走者が出るとリズミカルなメロディーでアルプス席のボルテージは一気に上昇。四回1死一、二塁の好機に、約95人の吹奏楽部員らがサビの部分で選手名を叫ぶと、阪本幹太選手(3年)が決勝の適時打を放って期待に応えた。

試合後、阪本選手は「曲が流れると『来たな』とゾクゾクして、やってやろうという気持ちになる」と語った。

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作曲の経緯と広がり

作曲したのは、1985年に拓大紅陵吹奏楽部の顧問に就任した吹田正人さん(63)。当時の監督小枝守さん(故人)から「紅陵の象徴的な曲を作ろう」と声をかけられたのがきっかけだ。

翌年、大学野球の応援を参考に「チャンス紅陵」を完成させると、86年の春の関東大会で初披露。同年夏の甲子園では早くも同校以外に広がり、4強入りした浦和学院(埼玉)が4番打者のテーマ曲として使ったことで知名度が上がった。

その後は千葉県内を中心に演奏校が増え、小金(千葉)が選手名を叫ぶパートをアレンジして「愛してる」と叫ぶようになるとさらに有名になり、SNS普及とともに全国に広がった。

今大会での採用状況と他校の反応

記者が球場や配信動画などで確認したところ、今大会では49校のうち、鳴門渦潮(徳島)や鳥取城北(鳥取)など少なくとも7校が初戦で演奏していた。日南学園(宮崎)は昨年から、リクエストを受けた選手の打席で使用。吹奏楽部の顧問でトロンボーンを担当する大迫祐紀さん(31)は「保護者も一緒に声を出して応援できて一体感を生み出せる」と話す。

一方、仙台育英は普段、好機でチャンス紅陵を演奏しているが、演奏を自粛する粋な計らいで試合に臨む。応援団長の二口遼さん(17)は「拓大紅陵が発祥だとは知らなかったので、本家を見て聞いて学びたい」と話す。

本家の意気込み

拓大紅陵吹奏楽部長の橋本こころさん(18)は「これが本家だぞと伝えられるよう、演奏やコールで他校とは一線を画すような迫力を出したい」と力を込め、吹田さんは「雨で大変な思いをしている千葉の人たちにとって、野球部の勝利が一番の勇気づけることになる。選手の活躍を後押しするように、精一杯演奏したい」と誓った。

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