初出場・八王子実践の河本監督、米国で培った「指導しすぎないのも指導」
初出場・八王子実践の河本監督、米国で培った持論

第108回全国高校野球選手権大会で9日に初戦を迎える初出場・八王子実践(西東京)を率いる同校OBの河本ロバート監督(40)は、米大リーグ傘下などを渡り歩いた異色の経歴を持つ。同校は専用グラウンドもなく、いわゆる野球強豪校ではないが、河本監督は米国で培った「選手との対話重視」の姿勢で潜在能力を引き出した。信頼し合う教え子たちと甲子園初勝利を目指す。

「ロバートさん」と呼ばれる監督

「ロバートさん。ちょっとフォームを見てほしくて」。6日の練習中、エースの塚原翔太投手(3年)が駆け寄ると、河本監督は気さくな調子で応じる。「最近投げていて感覚はどう?」。その後も会話を続けながら本番に向けてフォームの微修正を図った。

河本監督は、米国人の父と日本人の母の間に生まれた。中学まではサッカーに打ち込み、野球を始めたのは高校からだ。3年時には投手として西東京大会8強に貢献し、強豪・亜細亜大に進学。卒業後は米大リーグ・ドジャースの傘下チームでプレーした。

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日米の野球文化が原点

引退後は同校野球部のコーチとなり、2019年に監督に就任。日米両方の野球文化の経験が指導者としての原点となっている。

日本では、コーチらが熱心に指導してくれたが、選手からは気軽に質問できる雰囲気がなかった。一方、米国では選手と指導者が対等の関係で、細かい投球動作でも、互いの意見を擦り合わせながら練り上げるスタイルが印象に残った。米国の自由な雰囲気は、「自分で考えて練習しないと周りと差がつくだけ」と、自主性の大切さを知るきっかけになった。

「指導しすぎないのも指導」

そのため今は「指導しすぎないのも指導」が持論。選手は全員通学生のため平日の練習時間は2時間ほどだが、LINEで打撃や投球フォームの動画を監督と選手が共有して意見を出し合うなど、主体的な練習でレベルアップした。矢沢陵磨主将(3年)は「指導者と意見を言い合えるのがうちの特長」と胸を張る。

初戦の相手は鳴門渦潮(徳島)。河本監督は「勝とうとしすぎると欲が出る。明るい雰囲気で戦っていきたい」と無欲で挑む。

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