第108回全国高校野球選手権大会第14日の20日、智弁和歌山は準決勝で横浜(神奈川)を7―1で破り、決勝に進出した。三回、山田凜虎選手の適時二塁打で追いつき、続く楠本龍生選手が右越えに3ランを放って勝ち越した。先発の和気匠太投手は八回まで4安打、1失点、最後は久葉亮太投手が締めた。決勝は22日、5年ぶり4度目の優勝を目指して健大高崎(群馬)と対戦する。
井戸本陽向が代打で決勝打
「夢の舞台」でも浮足立つことはなかった。七回、1点を追加して、なお一死二、三塁の好機。中谷仁監督は「勝負強い」と井戸本陽向選手を代打に送った。
準々決勝に続き、甲子園2打席目。「ここで試合を決定づける」と初球から思い切りバットを振った。3球目、外角高めのボールに「食らいついた」と右前に2点適時打。「監督から『左投手が来たらいくぞ』と言われていたので」と心の準備はできていた。
捕手としての葛藤と役割
1年のときからベンチ入りはしたものの、チームには攻守の要である山田凜虎捕手がいて、正捕手のポジションはつかめなかった。内野手への転向も考えたが、捕手出身の中谷監督から「投手に対して気配りできる。捕手に向いている」と言われて吹っ切れた。
練習中は複数いる投手のボールを受け続け、試合になるとブルペンで投球練習の相手をする。マスクをかぶる機会は少なくても代打での出場にやりがいを感じるようになった。
因縁の相手へのリベンジ
この日、対戦した横浜は昨春の選抜大会決勝で敗れた因縁の相手。井戸本選手もベンチ入りしていたが、出場の機会はなかった。それだけに「あの悔しさを晴らす、リベンジの思いもあった」と振り返る。
今大会屈指の速球投手を三回途中で降板させ、14安打で7得点。「次も打席を任せられれば思い切り振っていく。チームを優勝させる役割を必ず全うする」と井戸本選手。頼もしい男が存在感を発揮してきた。
主将の決意
松本虎太郎主将は「ここまで来て、優勝しなければ意味がない。決勝戦でも自分たちがやってきたことを信じ続けて、それを実行するだけだと思う」と語った。



