低迷する男子ゴルフに150億円投資の勝算、ファンドトップが語るプロ200人の活かし方
低迷する男子ゴルフに150億円投資の勝算

野球やサッカー、バスケットボールといった人気スポーツが隆盛を極める一方で、試合数の減少やテレビ放映の消滅、カリスマ的人気選手の不在など、苦境に立たされている競技がある。男子プロゴルフだ。

「このままだと溶けてしまう」

日本男子ゴルフツアーの新会社「J-Tour」に約150億円規模の投資を行う日本産業推進機構(NSSK)の社長、津坂純氏は危機感をあらわにした。「日本の男子ゴルフツアーは、厳しい言い方をすると『氷』です。大会数が減り、賞金が減り、このままではどんどん溶けてしまう」

しかし、その一方で津坂氏は可能性も指摘する。「ただ、『22試合しかない』と考えるのではなく、22話のドラマがあるともいえる。Netflixの人気シリーズのように、1年間を通じて物語を届けることができれば、もっと多くのファンを惹きつけられる」

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J-Tour設立と役割分担

2026年3月、一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)は、スポンサー営業やマーケティング、放映権・映像事業などを担うJ-Tourの設立を発表した。選手管理・競技管理はJGTOが、ビジネス部門はJ-Tourが担当し、NSSKが経営ノウハウと資金を投入する。約150億円という金額は日本のゴルフ界にとって巨額であり、ツアー再生への期待がかかる。

津坂氏は、男子ツアーのスター選手は「知られていないだけ」だと強調する。プロゴルファー約200人がそれぞれに魅力を持ちながら、その価値が十分に伝わっていない現状を打破するため、メディア戦略やマーケティングの刷新を図る方針だ。

試合数減少と地上波からの消失

男子ゴルフツアーはかつて年間30試合以上が開催されていたが、現在は22試合に減少。また、地上波テレビでの放送もほぼなくなり、ファン離れに拍車をかけている。こうした状況に対し、石川遼選手からも危機感の声が上がっている。

「メディアが悪い」と津坂氏は語る。ゴルフは時間が長く、地上波の枠に収まりにくいという構造的問題があるが、それを逆手に取り、Netflixのようなサブスクリプション型配信で「22話のドラマ」として見せることで、新たなファン層を開拓する考えだ。

ニュージーランドから得たヒント

津坂氏は、ニュージーランドのゴルフツアー運営からヒントを得たという。小規模ながらも効果的なマーケティングで成功している事例を参考に、日本の男子ツアーでも同様の手法を適用する。具体的には、選手個人のストーリーを掘り起こし、SNSや動画配信で発信することで、ファンとのエンゲージメントを高める。

「プロ200人の知られていないスター」を活かすことで、男子ツアーの価値を再定義する。津坂氏は「男子ツアーの価値を上げる」と明言し、投資の勝算に自信を見せる。

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