全国の都道府県や政令市など157自治体を対象にした調査で、冠水の恐れがあるアンダーパスを持つのは148自治体に上り、そのうち約3割が冠水前から通行止めにする「予防的通行規制」を実施、または準備・検討を進めていることが分かった。千葉県や福島県で相次ぐアンダーパス冠水による死亡事故を受け、自治体の間で安全対策の動きが広がっている。
調査結果の概要
調査は今月7日以降、都道府県、政令市、県庁所在地市、東京23区、中核市を対象に実施。管轄する道路で冠水の恐れがあるアンダーパスやトンネルについて、予防的通行規制の実施・検討状況を尋ねた。
「実施済み」と回答したのは13自治体で、静岡市や兵庫県姫路市は千葉豪雨の前から実施。茨城県や大阪府枚方市などは今月から運用を始めた。「実施予定あり」は秋田県や大阪府高槻市など3自治体で、「実施に向けて検討中」は群馬県や福岡県など27自治体に上る。これらは国の規制基準を軸に検討が進められている。
自治体の対応と課題
一方、64自治体は実施できるかどうか「方向性を定めず検討中」と回答。国の指針が出れば実施に向けて検討するという自治体も多く、予防的通行規制の導入はさらに広がる見通しだ。
また、12自治体は冠水の恐れがあるアンダーパスがあるものの「実施しない」と回答。千葉県船橋市は「幹線道路なので止めると影響が大きい。現状では行わないが、国から指針が示されたら従う」と説明している。
事故の実態と今後の対策
国土交通省によると、アンダーパスは全国に3841か所ある。千葉豪雨では千葉市中央区の2か所で各1人が死亡。今月7日の関東・東北の大雨では、福島県いわき市の1か所で冠水の水位が約40分で15センチから約2メートルに達し、1人が亡くなった。
国交省は先月27日、自治体に予防的通行規制の実施を促す文書を発出しており、冠水アンダーパスでの事故を防ぐための運用指針を今後作成する。東京大の広井悠教授(都市防災)は「アンダーパス内の水位は車から見えにくく、冠水前からの規制は効果が高い。冠水情報などがカーナビに迅速に反映されるような仕組みも有効だ」と指摘している。



