日本政府は7月20日から、台湾南部・屏東県の海岸で太平洋戦争中に戦没した旧日本軍兵士の遺骨発掘調査を開始する。台湾での本格的な発掘調査は約半世紀ぶりとなる。
地元住民の証言が調査の決め手に
日本戦没者遺骨収集推進協会など国の委託を受けた調査団によると、地元住民の証言をもとに埋葬場所などを絞り込むことができたため、今回の調査実施に至ったという。太平洋戦争中、バシー海峡で撃沈された船の乗員の遺体が漂着したとされる海岸で、遺骨が残っている可能性が高いとみられる。
「輸送船の墓場」バシー海峡
台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡は、日本と南方を結ぶ主要航路上に位置する。戦時中、多くの日本軍輸送艦などが米軍の潜水艦に撃沈され、正確な被害は不明ながら累計犠牲者は10万人以上ともいわれ、「輸送船の墓場」と呼ばれている。今回の調査対象海岸には、漂着後に地元住民が埋葬した戦没者の遺骨が残っている可能性があり、7月末までの試掘で遺骨や遺品の発見が期待される。
遺族の高齢化と今後の見通し
戦後80年が経過し、遺族の高齢化が急速に進む中、政府は遺骨収集事業の加速を図っている。台湾での調査は長年の懸案であり、今回の成果が今後の収集活動に弾みをつけると期待される。



