世界遺産・熊野那智大社(和歌山県那智勝浦町)で14日、国の重要無形民俗文化財に指定されている例大祭「那智の扇祭り」が営まれた。燃えさかる12本の大松明(たいまつ)を担いだ氏子らが、那智の滝へ続く参道を練り歩いた。今年は晴天に恵まれ、雨だった昨年よりも1500人多い、約6000人の見物客が訪れた。
大松明の炎で参道を清め、扇神輿を先導
熊野那智大社によると、この祭りは熊野の神々が年に1度、金の扇で飾られた「扇神輿(みこし)」に乗って那智の滝へ里帰りする神事。白装束に烏帽子(えぼし)姿の氏子が重さ50~60キロの松明を担ぎ、「ハーリャ、ハーリャ」と威勢のよいかけ声を響かせながら、12基の扇神輿を先導。火の粉を散らしながら石畳を進む勇壮な姿に、見物客から拍手と歓声がわき上がった。
友好都市・美瑛町からも参列
今年は、4月に那智勝浦町と友好都市提携を結んだ北海道美瑛町の関係者10人が祭りを訪れた。美瑛町には、那智勝浦町からの移住者が建てた美瑛神社があり、十勝岳の噴火沈静を願い、1989年から熊野那智大社の扇祭りをモデルにした火祭りを実施している。美瑛町の角和浩幸町長は「震えるほど感動した。大松明の炎に導かれる扇がキラキラと光り、幻想的で美しい光景が印象に残った」と語った。



