観光客らが京都の市バスの運転士にカラーモールの造花を渡し、感謝を伝えるイベントが6月に行われた。観光客らは照れくさそうに「ありがとう」と声を掛けた。
混雑する市バスとオーバーツーリズム
混雑する市バスはオーバーツーリズムの象徴とされる。観光の恩恵を還元するため、市民の運賃を割安にする市民優先価格の導入が検討されるほどだ。
イベントは一般社団法人ツーリストシップ(京都市)が企画。代表理事の田中千恵子さん(28)は「市バスは混雑が注目されるが、その裏には頑張って働く運転士がいる。観光客が感謝や敬意を伝えるきっかけになれば」と話す。
「ツーリストシップ」の広がり
「ツーリストシップ」は観光客が旅先の文化や人、環境に配慮し、地域に貢献する意味の造語。スポーツマンシップの旅行版で、2021年に法人が提唱した。この京都発祥の理念が広がりを見せている。中学の教科書や大学入試に採用され、今月、田中さんは米国で講演を行った。
観光の経済効果と課題
京都市の「京都観光総合調査」では、昨年の観光客数は6279万人。宿泊代や買い物代、飲食費などの観光消費額は2兆474億円に上った。ともに過去最高で、観光が京都市の経済や雇用を支えている。ある市幹部は「観光を迷惑に思う市民もいれば観光で生活する市民もいる。分断させたくない」と懸念を示す。ツーリストシップの広がりが、観光公害の緩和につながることを願う。



