転職面接の締めくくりに、面接官から「最後に、何か質問はありますか?」と聞かれる。この「最後の時間」をどう使うかで、合否が分かれることがある。キャリアカウンセラーの中谷充宏氏は、著書『《AI対応版》30代後半~40代のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム新社)の中で、こう話す。
「ここは応募企業やそこでの仕事に関すること、特に実際の入社を想定してのことを聞くのがセオリーだ。『特にありません』はNG。処遇面を聞くのも控えるべき」
面接官が知りたいのは「上を目指す意気込み」
面接では「現(前)職より給与が下がりますが大丈夫ですか?」と聞かれる場面もある。中谷氏は、面接官がここで見たいのは「現状に甘んじず、上を目指す意気込み」だと指摘する。
ベストな答え方は、提示額を受け入れた上で、「入社後には粉骨砕身で頑張り、会社からトップランクの評価をいただき、今以上の給与をとれるように目指したい」と、強い決意と覚悟を伝えることだ。
給与が下がることを快く受け入れるのは難しい。それでも面接官は、「受け入れ可能な理由」を明確に説明してほしいと思っている。例えば「御社の店長業務に就いて御社ブランドを扱いたい想いが強く、今回の転職に踏み切ったので、お金にはあまり執着していない」「現職は超がつくほどハードワークで、その分給与が高かっただけだと分析している。だから下がるのは当然」といった説明がこれにあたる。
交渉余地があればPRも一手
ただし、求人内容に「経験・資格・能力等により決定」と記載があれば、確定的な金額を持っていないため、交渉の余地がある。少しでもアップするよう、これまでの豊富な経験・スキルや、今回担う重い役割などを交えてアピールするのも一手だ。
NG回答とOK回答
減額について「はい、大丈夫です。今、年齢がネックで全然転職が決まらず、条件を下げざるを得ない点は承知していますので」と答えるのは、明らかにマイナス印象につながる。渋々下げる姿勢は見せてはいけない。
一方、OKな答え方の例は以下だ。
「今回の転職で下がるのは覚悟していますし、給与額よりも御社で働くことが、今の転職の最優先ですので、大丈夫です。確かに給与だけについて言えば、高いに越したことはありません。ただ、前職は業界大手で年功序列でしたので、21年も勤務していれば、パフォーマンスに関係なく、給与がそれなりに高額になるシステムでした。実際まだ御社で働いておらず、貢献できていませんから、今はとやかく言える立場ではないと考えています。ただ、入社させていただく以上は、必ず求められる以上の結果を出していきたいと思います。そうすることによって会社に評価いただければ、給与も自ずとついてくるものと思っています」
減額提示を受け入れるのが大前提で、その理由を述べ、最後に入社後の決意でまとめる。この構成が回答として最適だと中谷氏は言う。
「最後の質問」は入社後の視点で
話を冒頭の「最後に、何か質問はありますか?」に戻す。受かる人は、応募企業やそこでの仕事に関すること、特に実際の入社を想定したことを質問する。「特にありません」で終わらせるのはもってのほかだ。また、給与や待遇など処遇面を聞くのも控えるべきだ。
この「最後の時間」を有効に使えるかどうかが、面接官に与える印象を左右する。面接は答えだけでなく、質問にも自分をアピールするチャンスが潜んでいる。
※本稿は、中谷充宏『《AI対応版》30代後半~40代のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム新社)の一部を再編集したものです。



