愛知県に住む40代の女性には、中学3年の長女がいる。長女は吹奏楽部に所属しているが、この春、女性の離婚成立を機に転校した。
転校前の学校では、部活動の地域展開の一環として、2年前から練習が週6日から4日に減った。その代わりに週1回、保護者主催の練習会が始まったが、長女は参加できなかった。会場費として週200円を払えなかったからだ。
DVから逃げ、年収100万円未満の暮らし
女性は夫からDVを受け、7年前に子どもを連れて逃げた。親権争いが長引き、子どもが夫に連れ去られるかもしれないという恐怖から、登下校の付き添いを続けてきた。学校がある時間しか働けず、年収は100万円にも満たなかった。
長女の体重は30キロ台で、同学年の平均と比べて10キロ以上少ない。練習会には毎週の会場費に加え、2千円の年会費がかかった。
「少しでも、肉食べさせたい」
女性は「部活動も大事だが、そこでかかるお金を使って、少しでも肉を食べさせてあげたい――。どうしても、そう思ってしまう」と語る。他の生徒や保護者は、この窮状を知らなかった。練習会に来ないのはやる気がないからだと思われていた可能性がある。
国は2026年度からの6年間を「改革実行期間」とし、休日におけるすべての部活動の地域展開を目指しているが、経済的に困っている家庭への負担が懸念されている。



