プール授業の安全管理、教員の自腹リスク…「洗濯機」禁止提案も
プール授業の安全管理、教員の自腹リスク…洗濯機禁止提案も

学校でプール授業が本格化する季節。子どもたちの歓声が響く一方、教員個人に過度に依存した安全管理の構造が問題視されている。中部大学准教授の樋口万太郎氏は、プール指導を「先生個人の頑張り」に丸投げする現状を批判し、特に「洗濯機」や「自由時間」の危険性を指摘する。

「洗濯機」と自由時間の危険性

プール授業の終盤に子どもたちが熱望する「洗濯機」(別名:渦づくり、流れるプール)は、一斉に同じ方向へ回遊し、流れに身を任せる遊びだ。しかし樋口氏は「安全面を確保することができない」として、禁止を提案する。「30人、40人の子どもが同じ方向に回る。水は白く泡立ち、歓声で耳もふさがれる。もし一人の子が足をすくわれて沈んだら、気づけるだろうか」と警鐘を鳴らす。

同様に自由時間も、監視の目が行き届きにくい時間帯であり、事故リスクが高まるという。

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「プールの水」止め忘れという恐怖

もう一つの問題は、プールの水の止め忘れによる教員の自腹リスクだ。樋口氏は「水を止め忘れて大量に流してしまった場合、教員個人が損害賠償を負う可能性がある」と指摘。実際、過去に水の止め忘れで高額な水道代を請求された事例があり、教員の精神的負担は大きい。このようなリスクは、プール指導が「先生個人の頑張り」に依存する属人化された構造に起因する。

「属人化」されすぎている構造を変えるべき

樋口氏は、プール授業に限らず学校現場の安全管理全般が「属人化」していると問題視する。「安全対策を個人の努力に任せるのではなく、仕組みで防ぎ、役割を分けるべきだ」と強調。具体的には、監視員の複数配置や自動水栓の導入、マニュアルの整備などを挙げる。また、水の止め忘れ対策としては、タイマー式の自動止水装置や、終了時のダブルチェック体制が有効だとしている。

学校も「仕組みで防ぐ、役割を分ける」安全管理の常識を

樋口氏は「教員は本来、教育に専念すべきであり、過剰な安全管理負担は教育の質を低下させる」と訴える。プール授業の楽しい風景の裏で、教員は常に事故リスクと賠償リスクに怯えている。この構造を変えるためには、学校全体でリスク管理の仕組みを構築し、教員一人ひとりに過度な責任を負わせない環境づくりが急務だ。

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