肌を美しく見せ、顔立ちを引き立てる「パーソナルカラー」が、学校教育の現場で注目を集めている。大阪市阿倍野区の桃山学院中学では6月下旬、家庭科の授業でカラー診断が行われ、生徒たちが互いの個性を認め合う姿が見られた。
家庭科の授業でカラー診断
認定NPO法人・色彩生涯教育協会所属のカラーアナリストが、4色のピンクの布を生徒の胸元に当てながら、鏡の前で1人ずつ診断を実施。5~6人の班に分かれた生徒たちは、他の生徒の診断にも参加し、「どの色が一番似合ってた?」と聞き合いながら、「4つ目がめっちゃ似合ってた!」などと声を掛け合った。
女子生徒(13)は「似合うと言われてすごくうれしかったし、似合う色はそれぞれ違うんだなと思った」と笑顔を見せた。
自己肯定感の向上に期待
同協会が同校で授業を行うのは初めて。担当の橋本香織教諭は「中学1年でパーソナルカラーは早いのではという思いもあったが、男女関係なく素直に褒め合え、お互いを認め合う心が生まれた」と手応えを語る。
約30年前からパーソナルカラーを研究する同協会の高田裕子会長(49)は「人は自分のいいところを見つけると前向きになれる。パーソナルカラーはおしゃれのためだけのものじゃない」と話す。中学の家庭科の被服に「個性を生かす」という単元が登場したことから、15年ほど前から授業を依頼されるようになったという。
同協会は授業プログラムを整え、アナリストに研修を実施。中学校を中心に授業を展開しており、実施件数は平成30年度の4件から昨年度は16件に増えた。
「生の声の『いいね』」に意義
中学生は自分を周囲と比較して自尊感情が揺らぎやすい時期。学校は勉強やスポーツなど、優劣で評価されることも多い。長年にわたり中学校のスクールカウンセラーを務める関西福祉科学大の非常勤講師、良原恵子さん(68)は、パーソナルカラーに優劣がない点に着目し、「どの色が似合うかをお互いに模索するのは、自分の〝存在〟が認められているという実感につながる」と指摘。「SNSではなく、目の前の相手の生の声の『いいね』には大きな意味がある。自己肯定感の向上に役立つ」と話している。



