文部科学省は、小学校の教員免許に、特定教科のみ指導できる「専科免許」を新設する検討に入った。現行の小学校教員免許は全教科を教える前提の制度で、大学では教員養成が主目的の学部で全教科の指導法を学ぶ必要がある。専科免許の創設で間口を広げ、多様な専門性を持つ教員を増やし、教育の質向上を図る狙いだ。
専科免許の概要とスケジュール
25日に開かれる中央教育審議会の部会に、文科省案として提示する。専科免許創設に必要となる教育職員免許法の改正案について、来年中の国会提出を目指すが、大学関係者からは慎重な意見も予想される。
小学校では、国語や社会、算数、理科など全10教科を学級担任が指導している。免許は原則、教員養成を主目的とする学部でしか取得できない。2022年度から、小学校高学年の外国語と理科、算数、体育の4教科で、学級担任以外も指導する教科担任制を本格的に導入したが、専科免許はなかった。
取得の仕組みと理数教育への期待
文科省案では、小学校で教える全教科で、各教科のみ指導できる専科免許を新たに作る。中学校や高校の教員免許と同様に、法学部や理学部など教育学部以外の学生でも教職課程を履修することで特定教科に限った免許を取得できる仕組みを、小学校の免許に取り入れることも視野に入れている。理数教育の充実のため、特に算数や理科で、高い専門性を持つ教員を専科免許発行によって確保したい考えだ。
小学校教員は今後も全教科の指導を前提とする。専科免許の取得者が後に、全教科を指導できる通常の小学校の教員免許に転換するルートも検討する。
教員不足の現状と今後の見通し
文科省によると、小学校の教職課程がある大学は24年度、全国に250校あり、教員免許取得者は約2万人。一方、中学校の教員免許を得られる大学は513校で、約3万6000人が取得した。
25年5月時点で、全国の公立小学校で約1700人の教員不足が生じており、免許取得者の裾野拡大と質の向上が求められていた。



