夏休みの宿題の定番である読書感想文を、AIに書かせるのは「ズルい」のだろうか。中部大学現代教育学部准教授の樋口万太郎氏は、AIの登場によって教師自身が宿題の目的を問い直す必要があると指摘する。
AI使用の是非より「目的」が重要
読書感想文が「提出させること」自体を目的とした宿題なら、AIが書いた文章でも目的は達成できてしまう。樋口氏は「AIの登場は教師に問い直しを迫っています。何のためにこの宿題を出すのか。その問いに答えられないまま出す宿題こそが、実は一番危ういのではないでしょうか」と述べる。
結局のところ、AIの使用に賛成か反対かという二択ではなく、どのような目的で使わせるのかが問われているという。
AIプロンプト作成の手順
樋口氏は、GeminiやChatGPT向けのプロンプトを以下の手順で作成していると紹介する。
まず、「私は、◯◯(場面)で、◯◯(作業)を手伝ってくれるAIを作りたい」という一文を作る。例として「私は、読書感想文の指導の場面で、子どもの内省を深める対話を手伝ってくれるAIを作りたい」が挙げられる。
次に、その一文を「あなたはプロンプト設計の専門家です。私は小学校の教員です。【例文】カスタム指示を一緒に考えてください。いきなり作らず、まず私に1問ずつ質問して、必要な情報を集めてください。質問は最大7問。途中で十分だと思ったら、打ち切ってかまいません。質問が終わったら、『役割・前提・手順・禁止・出力形式』の5点セットで、そのままコピーして使えるカスタム指示を作成してください」という指示とともに送る。
その後、出てきたカスタム指示に対して「このプロンプトの弱点を3つ挙げて」「このプロンプトで失敗しそうな入力例を作って、実際に試して」「経験豊富なベテランなら、ここに何を足すと言うと思う?」の3つを順に返す。
最終版の完成とサポートの違い
最後に「ここまでの改善点をすべて反映した最終版のカスタム指示を、そのままAIに貼り付けられる形でまとめてください」と指示し、出てきた最終版をGeminiやChatGPTに貼り付ければ完成となる。この手順は樋口氏のYouTubeチャンネルでも紹介されている。
親のサポート次第で、子どもの学びを引き出すことも「単なる作業」に終わらせることもある。AIを活用する際も、その目的を見据えた関わり方が求められている。



