「任せることが大事」という言葉を知らない管理職はいない。それでも仕事を抱え込み、部下に任せられない上司は後を絶たない。PABLO代表取締役の岩崎徹也氏は、そうした上司を次の3タイプに分類する。
任せられない上司の3タイプ
- 自分で抱えるタイプ:「自分がやった方が早い」「人に頼むのは気が引ける」と考え、仕事を外に出せない。周囲から頼られているように見えて、実は組織の成長を止めている。
- 作業ベースで渡すタイプ:「このやり方が一番正しい」と思い込み、仕事を“作業”として切り出して渡す。部下には考える余地がなく、単なる下請けに堕とされる。
- 丸投げタイプ:「自分ではやりたくない」「よくわからない」という理由で、責任も説明もないまま仕事を投げる。任された部下は途方に暮れ、失敗すれば「やっぱり任せるんじゃなかった」と責められる。
部下の学習機会を70%奪う行動
作業ベースで渡す行動は、本人の主観では“良かれ”と思って選択している。しかしその選択が、結果として部下から70%の学習機会を奪っている。この構造を直視することが、権限委譲の出発点だとしている。
丸投げタイプも、一見「任せている」ように見える。だが任せるとは“信じて放つこと”ではなく、“信じられる環境を設計する”ことなのだ。権限委譲は性格や度胸の問題ではなく、技術である。
権限の「3つのゾーン」で境界線を引く
そのためのテクニックは3つあるとし、まず1つ目は権限の境界線を明示することだ。具体的には次の3つのゾーンを設定する。
- 委任ゾーン:部下が単独で判断・実行してよい範囲
- 協議ゾーン:部下がまず考え、上司と壁打ちして方向性を決める範囲
- 承認ゾーン:会社の利益やブランドに直結するため、必ず事前承認を要する範囲
この3つの境界線を最初に引いておくだけで、「勝手にやるな」と「なぜ相談しないんだ」という矛盾したフィードバックは激減する。境界線がないから、部下は動けないのだ。
次ページでは【事後の振り返りの場を意図的に作る】方法を紹介している。



