日本語学校の留学生、来日の思いは…「困っている人を助けたい」「早く家族をサポートしたい」
日本語学校の留学生、来日の思いは…「困っている人を助けたい」

日本に滞在する外国人留学生が過去最多の46万人に達し、山口県内でも2025年末時点で1808人が学ぶ。5年前の2割増だ。彼らはどんな思いで来日し、暮らしているのか。山口市の日本語学校を訪ねた。

入学式にサリーが彩りを添える

5月末、「はあと日本語学校」(山口市吉敷中東)の入学式が同市で開かれた。新入生はネパール、スリランカ、バングラデシュの3か国58人。南アジアの民族衣装「サリー」が彩りをそえた。

代表であいさつしたのは、ネパール出身のポムジャン・ヨジャナさん(21)。実家は農家だが、「鬼滅の刃」などネパールでも人気のアニメに触れ、日本への憧れが膨らんだ。出国時、母親は空港で涙を隠しながらも「体に気をつけて」と見送ってくれた。

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日本の生活は毎日が新鮮で、内気だった性格は変わっていった。授業後は友達と公園に行き、ジュースを買っておしゃべりして過ごす。将来の夢は看護師。ネパールでは若くして妊娠した女性が体を壊すのを見聞きしていた。「彼女たちのように困っている人を助けたい」と思っている。

寮は国と宗教のるつぼ

学校では2年生も含めて6か国の計76人が学ぶ。寮は国と宗教のるつぼだ。3か国の10人が暮らす1棟ではイスラム教、ヒンズー教、仏教が共存する。みんなで集う際の料理は決まってチキンカレー。豚と牛は、宗教上の理由で食べられない人がいるからだ。

日本語の理解が追いつかず失敗することも。「この野菜炒め、おいしくないよ」。新入生の一人が淡い黄色のボトルを手に首をかしげた。炒め油のつもりで買ったのに、何かおかしい。先輩が笑って指摘する。「僕はスシ職人の映画を見たから分かる。これは『みりん』だよ」。だが、ボトルのラベルには「らっきょう酢」。こんな出来事も学びの一つだ。

寮ではご近所に気を使い、音楽はヘッドホンで聴く。あいさつも心がけている。ただ、シャイな学生が多く、近所との交流はほとんどない。ネパール出身のチャパガイン・ガナシャムさん(28)は「話しかけたいけど、言葉に自信がなくて」と打ち明けた。

漢字の壁と家族への思い

常用だけで二千字を超える漢字は難敵だ。ネパールから来た1年生のラサイリ・マノジさん(24)は授業で大きな体を丸めるようにしてノートに書き付けている。寮でも2~3時間は机に向かう。「文法は似ているから大丈夫。漢字は私の国にないからムズカシイ」。回転寿司でアルバイトを始めたが、魚種を示す漢字は判別できない。

日本語能力試験で最難関の「N1」に挑戦する女性もいる。2年生のシーサー・モーさん(23)。親軍政権のミャンマーが母国で、軍に家を焼かれた。日本語の勉強をやめて家族を支えようとも思ったが、父親から「続けなさい。安全な日本に行きなさい」と諭された。残してきた両親と弟、妹を思うと、涙があふれる。

「本当は大学に行きたいけど、早く家族をサポートしたい。だから専門学校を出たら働きます」

同校の森竹妙華校長は「学生の多くは家族思いで、将来を明るくしたいと頑張っている。国や肌の色は異なるが、温かく受け入れてほしい」と話す。

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