首相が皇位継承で「男系男子に限る」と答弁 引用報告書には具体的方針の明記なし
高市早苗首相は2026年2月27日の衆議院予算委員会において、与野党で協議が進む安定的な皇位継承に向けた皇室典範改正をめぐる質疑に応じ、皇位は「皇統に属する男系男子に限る」ことが適切であるとの考えを明確に示しました。この発言は、2021年に設置された政府の有識者会議がまとめた報告書を引用する形で行われたものです。
報告書は将来的な皇位継承策には踏み込まず
しかし、首相が引用した有識者会議の報告書は、皇族数の確保策として「女性皇族が婚姻後も身分を保持する」案と「旧宮家の男系男子を養子として迎える」案の2つを検討するよう求めたものの、将来的な皇位継承の具体的な方針までは示していません。この点について、木原稔官房長官はその後の記者会見で、首相の答弁は「養子縁組に関する記述を引用したもの」との認識を示しました。
首相は委員会で「過去の女性天皇を否定することは不敬にあたる」と述べつつも、「皇位が女系で継承されたことは歴史上一度もない」と強調しました。さらに「有識者会議の報告書においても、皇統に属する男系の男子に限ることが適切とされている。政府としても私個人としても、この報告を重く受け止め尊重している」と語りました。
連立政権合意では養子案を「第一優先」に
自民党と日本維新の会が昨年10月に締結した連立政権合意書には、旧宮家の男系男子を養子として迎える案を「第一優先」として、皇室典範改正を目指す方針が明記されています。首相は前日26日までの代表質問では「国会における議論が進展し、速やかに結論がまとまることを期待する」と述べるにとどめていましたが、今回の予算委員会ではより踏み込んだ見解を示す形となりました。
皇室典範改正を巡る議論は、皇族数の減少が続く中で安定的な皇位継承を確保するための重要な課題です。政府与党は有識者会議の報告書を基に協議を進めていますが、具体的な改正案の策定にはなお時間を要する見通しです。今後の国会審議では、歴史的経緯と現実的な対応策のバランスが焦点となるでしょう。



