変電所新設計画に住民が反対
千葉県印西市で、データセンター(DC)向けの電力需要を賄うための高圧変電所新設計画が浮上し、周辺住民が反対運動を始めた。住民は騒音や景観悪化、電磁波による健康被害を懸念し、建設地の変更を求めている。計画では、東京電力パワーグリッドが印西市草深の約4万平方メートルの敷地に変電所を建設する予定だ。
建設地は市街化調整区域、公益的建築物として許可不要
建設予定地は市街化調整区域にあり、通常は建築が制限されるが、変電所は都市計画法で「公益上必要な建築物」とされ、開発許可が不要となる。しかし、反対住民は「私企業のDC向け施設であり公益とは言えない」と主張。敷地は公園に隣接し、住宅地にも近い。
住民説明は昨年9月、用地買収はその半年前
反対団体「高花6丁目東自治会環境の会」によると、東京電力パワーグリッドから昨年9月に自治会長へ初めて計画説明があったが、登記簿では用地の大半が昨年2月と7月に買収済みだった。環境の会共同代表の男性(82)は「何も知らされないうちに決まっていた」と憤る。同会のアンケートでは、騒音や健康被害、防災面の不安が多く寄せられ、大多数が建設撤回を求めた。
DC需要急増、既存変電所は供給能力不足に
印西市は地盤が固く災害リスクが低いことからDC立地が相次ぎ、現在約30棟が稼働。東京電力パワーグリッドは2024年6月に千葉印西変電所を稼働させたが、すでに需要を賄えなくなっている。資源エネルギー庁のリポート(2025年3月)によると、印西・白井エリアでは「供給可能量を超える需要の申し込み」があり、変電所への「連系待ちの大規模需要は約40件」に達している。
DC建設に伴う住民摩擦が拡大
DCの建設適地が減少し住宅地に近接するケースが増え、印西市や白井市ではDC建設計画を巡る訴訟も発生。今回の変電所建設反対運動も同様の構図で、環境の会メンバーは「住宅から離れた適地に変更してほしい」と話す。東京電力パワーグリッドは「懸念や不安の意見を真摯に受け止め、丁寧な説明を尽くす」とコメントしている。



