実は、近視は「メガネをかけるだけ」では解決しない問題だ。医師で医学博士の窪田良氏(窪田製薬ホールディングスCEO)は、近視は眼軸長(目の奥行き)が伸びてしまう病気であり、一度伸びてしまった目は元に戻らないと説明する。
ラグビーボールのように目が伸びると網膜が引っ張られて薄くなり、将来的に網膜剥離や緑内障といった失明につながる重篤な眼疾患のリスクが跳ね上がる。そのため、子どものうちから近視を防ぐことが非常に重要だという。
1日2時間の太陽光が近視を防ぐ3つの理由
では、どうすれば予防できるのか。窪田氏によると、最新の研究で最もコンセンサスが得られているのは「1日2時間以上、太陽光を浴びること」だ。外の環境が目に良い理由は3つある。
1つ目は、室内に比べて太陽光はとてつもなく明るいこと。2つ目は、外で遠くを見ていると網膜の手前に映像が投影される機会が少なくなること。室内だとどうしても近くにものがたくさんある。3つ目は、太陽光にはプリズムで見えるように紫から赤まで7色のスペクトルが含まれており、その幅広い波長が目に届くことも重要だと言われている。この3つ——明るさ、波長、遠くを見る環境——が健康な目を作る。
太陽光を浴びるだけでそんな効果があるとは知らなかったが、今の子どもたちの生活を考えると、平日に2時間外で遊ぶのはハードルが高い。しかし窪田氏は、通学の時間、体育の授業、休み時間を合計すれば2時間は決して不可能な数字ではないと指摘する。曇りの日でも、日陰でも、室内に比べればはるかに明るいので十分効果があり、お昼休みに外に出るだけでも違うという。
炎天下にずっといなくてもよく、ベランダから日陰で外を遠く見ていてもいい。こま切れの時間でも、最低15分単位くらいで合計2時間以上いればいるほど目に良いとされている。



