電動キックボード事故、脳損傷リスクはバイクの3.45倍 ヘルメット着用率5.9%
電動キックボード事故、脳損傷はバイクの3.45倍

英チェルシー・アンド・ウェストミンスター病院などの研究者らが発表した論文で、電動キックボードの利用者はオートバイや自転車の利用者に比べて脳や内臓を損傷するリスクが高いことが明らかになった。分析には2020年から22年にかけてイングランドおよびウェールズで中等度から重度の外傷を負った患者1万5247人分のデータが用いられた。

脳損傷リスクはバイクの3.45倍

対象には電動キックボード580人、オートバイ7027人、自転車7640人が含まれる。分析の結果、成人の電動キックボード利用者はオートバイ利用者と比較して、外傷性脳損傷のリスクが3.45倍、内臓損傷のリスクが1.46倍、動脈または静脈の損傷のリスクが3.24倍高いことが示された。自転車利用者との比較でも、脳損傷1.74倍、内臓損傷が1.36倍、血管損傷が1.66倍だった。

一方で骨折のリスクについては、電動キックボード利用者はオートバイ利用者より20.0%、自転車利用者より10.0%低いという逆の傾向が見られた。

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子供の割合とヘルメット着用率の低さ

電動キックボードの外傷症例のうち18歳未満が16.2%を占め、オートバイの6.2%、自転車の8.9%を大きく上回った。子供でも脳損傷のリスクはオートバイの2.39倍、自転車の1.38倍だった。

ヘルメットの着用が確認されたのは、電動キックボード利用者ではわずか5.9%にとどまり、オートバイ利用者の75.7%、自転車利用者の45.0%を大きく下回った。著者らは、この著しく低い着用率が脳損傷リスクの高さにつながっている可能性を指摘するとともに、電動キックボードの構造上、衝突時に利用者がハンドルバーを越えて頭から転倒しやすい点も一因になりうるとしている。

男女差の分析

自己申告による2万3193件の衝突およびニアミスの追加分析では、男性利用者の衝突リスクは女性利用者より36%低い一方、女性利用者が重傷を報告する確率は2.1倍高かった。その背景として、多くの電動キックボードが男性の体格を前提に設計されていることや、女性利用者が歩道や未舗装路を走行する傾向が高いとする従来の報告との関連を考察している。

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