転売目的のbot利用は何罪?小野智博弁護士に聞く法的課題と企業対策
転売目的のbot利用は何罪?小野智博弁護士に聞く

転売目的でbotを使いECサイトにアクセスして商品を購入する行為は、どのような罪に当たるのか。ECビジネスに詳しい弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所の小野智博弁護士に聞いた。

電子計算機使用詐欺罪の可能性と立証の難しさ

小野弁護士によると、例えばbotで偽名のアカウントを作り、別人が購入するように装えば電子計算機使用詐欺罪にあたる可能性がある。ただし、電子計算機使用詐欺罪が成立するには、システムに「虚偽の情報」を入力したことを立証する必要がある。

bot利用者は「購入代行」の形を取ったり、実在しそうなユーザー名や住所を偽装するため、捜査の裏付けには膨大な時間と人力がかかるという。さらに、botのシステムは海外サーバーや匿名化されたネットワークに隠されていることもあり、IPアドレスの追跡には海外のプロバイダー業者への照会など長期の時間がかかる。不正の証拠は消されてしまうこともある。

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法規制の必要性とリスク

小野弁護士は、すべてのbotを法律で禁止した場合、自動発注や定期購入のシステム、障害者向けのツールなど、今後の社会に必要になる技術まで違法にしてしまうリスクがあると指摘する。一方で、「不正な購入手段にbotを使うことは許されない」という規範を明確にする上で、欧米のような法規制に向けた議論自体は重要だと述べた。

企業側の自衛策

企業側の対策として、ECサイトの利用規約でbotによる購入制限の回避などを禁止し、システム履歴から不審と判断した場合は企業の裁量でキャンセルや利用アカウントの停止ができるようにする必要があると説明する。売買契約がどのタイミングで成立するかの設計も自衛策のポイントだという。

その上で、botの検知ツールやキャプチャー認証、抽選販売、本人確認の導入といった技術面・運用面の複数の手段を組み合わせて実効性を持たせることが重要だとしている。

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