脳内科医で医学博士の加藤俊徳氏(「脳の学校」代表)は、ADHDの子どもが暴れる、飽きる、言うことを聞かないといった行動の背景に、脳内のドーパミン不足があると指摘する。これは子どもが怠けているわけではなく、脳が疲れてドーパミンが下がっている状態だという。
もともとドーパミン量が低く、何かを始めてもすぐにやる気が下がったり、違うことをしたくなったり、目に入ったものに気が移ってしまったりするのもADHD脳の特性。一方で、魅力的な動機があれば「目的(利益)のためになんとしても目の前の過程をこなすぞ」とドーパミンが増加し、人一倍エネルギッシュに取り組むとされる。
ADHD脳が動く4つの動機
加藤氏によると、ADHD脳は以下のような動機に反応して行動する。
- 緊急性のあること:「あと3分で締め切り」「20時から半額」など、緊急性を感じると迅速に行動する
- 新しいこと:好奇心が強く、新しいことは強い動機づけになり飛びついて行動する
- 挑戦的なこと:挑戦が好きで、現時点より少し難しい課題には過集中になるほど夢中で取り組む
- 好きなこと:基本的に好きなことしかできないのがADHD脳。興味のあることは驚くべき行動力を発揮する
親が「動機づけのコーチ」に
ADHD脳が自分で動機づけできるようになるには、的確な動機を的確なタイミングで持てるよう伴走して指導してくれるコーチが不可欠。その役割を担えるのは、子どもにとって最も身近な存在である親だけだと加藤氏は話す。
テストが近いのに「めんどうくさい」「やりたくない」と何もしない子どもを見ると、心配といら立ちから叱ってしまうこともあるかもしれない。だが、そんなときは叱るのではなく、「いまやる気が起きないのは、ドーパミンが下がっているから」と原因を伝え、「少し昼寝しようか」と誘ってみるのも一案だという。子どもが不機嫌になったりだらだらしているのは、脳が疲れて休む必要があるか、動機を探しているサインだと受け止めることが大切になる。



