長崎は9日、81回目の「長崎原爆の日」を迎え、長崎市松山町の平和公園で長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が行われた。鈴木史朗市長は「長崎平和宣言」で、大国の「力による支配」が横行し、核軍縮に逆行する動きが加速していると危機感を表明。「『長崎を最後の被爆地に』するため、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け、歩み続ける」と述べた。
式典の様子
式典には、被爆者や遺族、各国の代表者らが参列。原爆がさく裂した時刻の午前11時2分には「長崎の鐘」が鳴らされ、犠牲者に哀悼の誠をささげた。
鈴木市長は平和宣言で、原爆で顔に大きなやけどを負いながらも被爆の実相を伝え続けた語り部の吉田勝二さん(故人)の体験を紹介。今年5月、核拡散防止条約(NPT)再検討会議で成果文書が3回連続で採択されなかったことなどに触れ、「人類と核兵器は決して共存できない」と訴えた。
首相のあいさつ
高市首相は式典のあいさつで、「非核三原則を堅持している」とした上で、「核兵器のない世界の実現に向けた現実的かつ実践的な取り組みを推進している」と強調した。
名簿奉安と被爆者の現状
7月末までの1年間に死亡が確認された2773人の名前を記した原爆死没者名簿3冊の奉安も行われた。1968年からの累計の奉安者数は20万4708人となった。
厚生労働省によると、広島、長崎で被爆し、被爆者健康手帳を持つ人は今年3月末時点で9万1105人で、平均年齢は86.66歳。被爆の記憶や体験の継承が課題となっている。



