熊本地震で震源になったとみられる活断層、日奈久(ひなぐ)断層帯が地表に現れた区間は、南北約38キロに及ぶことが、広島大の熊原康博教授、福岡教育大の岩佐佳哉講師らの現地調査で明らかになった。10年前の地震で地表に現れた断層と全く同じ位置で、再びずれ動いたところもあった。
一方で、熊本県八代市の南部ではずれが見つからなかった。熊原さんらは、今回の地震で活動しておらず、将来大きな地震を起こす可能性があると指摘している。
調査の概要
調査は、活断層が地震を起こしたときに地面に現れる「地表地震断層」の全体像をつかむのが目的。地震翌日の7月29日から5日間かけ、148地点で向きや量を調べた。
この結果、北端は益城町砥川で、南端は八代市平山新町まで追うことができた。今回のマグニチュード(M)7.1に対して、38キロの全長は長めという。
10年前の地震との関係
このうち北側の約7キロは、10年前の熊本地震で動いた区間とぴったり重なっていた。この区間は前震でもわずかにずれ、本震で大きく動いた後に、7年間にわたってゆっくりと同じ向きに動き続けていたことがわかっている。
「10年前に2度動き、7年間にわたってずるずる動いて、今回も全く一緒の位置で動いた。これまでの活断層の常識とは違うことが起きている」と熊原さんは言う。
これまでは「一度動いた活断層はしばらく動かない」との前提で、将来の地震活動を予測してきた。地層がずれた年代とその間隔から地震の発生確率を算出するが、10年の時間差を地層で識別するのは精度的に困難だ。
地層で1回の活動に見えても、時間差で起きたものかもしれない。そんな見方も必要になってくる。
ずれの量と今後の課題
10年前に生じたずれは最大65センチだったのに対し、今回は20センチだった。この区間は10年前の本震を起こした布田川断層帯との境界部にあたる。こうした長大な活断層帯の境界部は、地震のメカニズムを考えていくうえで注目すべきポイントになるという。



