猛暑で動物も熱中症リスク、王子動物園が異例の告知と暑さ対策
猛暑で動物も熱中症リスク、王子動物園が異例の告知と対策

連日の猛暑の中、神戸市立王子動物園(神戸市灘区)は、動物たちを守るため、暑さ対策に取り組んでいる。日陰を作る遮光ネットを増設したり、体を冷やすミストを設けたり、暑さをしのげるよう動物の体調管理に細心の注意を払っている。

異例の告知、動物展示の中止も

今月初め、同園の公式X(旧ツイッター)で、動物展示について異例のお知らせがあった。「昨今の暑さのため、事前告知なく動物の展示中止、室内への出入り自由などの対応をする場合がございます」と伝えた。

園では通常、朝に寝室の獣舎から動物を放飼場(屋外展示場)に出し、日中は外で過ごさせる。暑さの厳しい夏場は空調の利いた寝室との出入りを自由にさせている。今年は特段暑く、昼間も動物が寝室に戻る可能性が高いため、初めて告知した。

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気象庁によると、神戸地方は35度を超える猛暑日が7月で9日(昨年5日)、8月は17日現在で昨年の5日を上回る6日を記録、暑い日が続いている。

獣舎ごとに工夫、餌や環境を調整

「暑さに弱い動物は特に気をつけているが、平気だと思っていた動物でも油断できない状態」と山田亜紀子副園長は説明する。

円形猛獣舎ではミストを設置しており、今年は極東ロシアなど寒い地域に生息しているアムールトラの放飼場にミストを新設。カリフォルニアアシカのプールには全体を覆えるよう遮光ネットを増設した。

アフリカの牛の仲間のシタツンガの獣舎では、飼育員がすだれやネットで日よけを手作り。ホッキョクグマ舎では、人工降雪機で雪原を設け、魚や果物を入れた氷を与えるなど、餌にも工夫をしている。動物によっては水浴びをさせたり、日陰に入れたり、餌を木陰に置くなどの配慮も怠らない。

熱中症の危険、他園での死亡事例も

体調管理も欠かせない。採血や体温のチェックのほか、餌の食べ具合、フンの状況、動きや表情など日々の観察が重要だという。

多摩動物公園(東京都日野市)での出来事も、飼育員らの危機感をあおる。同園では先月下旬から今月上旬にかけてライオン3頭(3~15歳)が死んだ。解剖したところ、いずれも脱水や多臓器不全が確認され、東京都は熱中症が原因とみて死因の特定を進めている。

山田副園長は「人ごととは思えない。人間と同じで暑さが収まった時に夏疲れが出る動物もいるので、涼しくなってもしっかりと健康管理をしたい」と話す。

入場者への暑さ対策も拡充

王子動物園では、入場者の暑さ対策も進めており、沿道など3か所にミストを増設。4か所でネットやパラソルを新たに取り付けたほか、1か所に空調大手「ダイキン工業」の協力で屋外エアコンを今月25日まで設置している。

園内のミストや冷房などの位置がわかる「クールスポットMAP」を作成、入場者には塩分がとれるよう塩あめを配布するなど気を配る。

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