「令和8年熊本地震」で、給水や住まい、生活物資の搬送など、被災者の生活を支える動きが広がっている。名古屋工業大の北川啓介教授(52)は、自宅が被災した人たちのため、自ら開発した「インスタントハウス」を8月1日から、熊本県氷川町、八代市など被害が大きい地域で順次設置する。
能登半島地震・豪雨の被災地でも屋内・屋外用のハウス約2200棟を設置した北川教授は、発生翌日に現地入り。「能登の被災地と似た状況。住宅のほとんどが潰れたような地区もある」と話す。被害が目立つイオンモール熊本や日本製紙八代工場などに支援が集中したこともあり、他の地域の被害が伝わっていないとも感じるという。
1日はまず氷川町で、空気を入れて膨らませた防炎シートに断熱材を吹き付けて建てる屋外用ハウスを5棟設置し、クーラーも付ける。同大インスタントハウス基金で約60棟は用意できるが、供給が追いつかないといい、北川教授は「救える命を守るため、協力をお願いしたい」と話す。寄付は北川教授の研究室のホームページから可能。
給水車の派遣や支援物資の提供
中部地方整備局は31日、緊急災害対策派遣隊「TEC―FORCE(テックフォース)」の職員3人を九州地方整備局に派遣した。同日朝、浜松と名古屋から給水車計2台を熊本県に派遣しており、3人は給水車をどこに派遣するかなど給水支援の指揮にあたる。名古屋市中区で行われた出発式で、派遣隊の立松明憲隊長が「安全で安心な水をいち早く届けることが我々の使命。被災地の迅速な復旧に努めたい」と決意を述べた。
愛知県東三河5市(豊橋、豊川、蒲郡、新城、田原市)は、日本青年会議所(JC)東海地区愛知ブロック協議会の要請を受け、被災地へ飲料水などの支援物資を提供した。支援物資は31日、各市から地元JCに引き渡されるなどし、熊本県内の被災地へ届けられる。
美浜、東浦、阿久比3町も、支援物資を熊本県八代市へ共同輸送した。美浜町職員2人がトラックにトイレ処理セットや大人用紙おむつなどを積み、7月30日に出発。31日、現地で避難所となっている中学校に届けた。また、下水道維持管理などに携わる半田市の会社「IMAZ」が8月3日、社有給水車を被災地に向かわせる。
一方、愛知県は31日、「DMAT(災害派遣医療チーム)コーディネーションチーム」として、医師ら7人を8月1日から順次、熊本県に派遣すると発表した。DMAT活動を指揮する本部などで支援業務にあたる。
豊川市がふるさと納税で代理寄付
愛知県豊川市は31日、ふるさと納税制度を活用し、熊本県嘉島町への災害支援代理寄付の受け付けを始めた。市は2023年、イオンモール・イオンリテールと地方創生に関する包括連携協定を締結し、健康づくりなどで連携。熊本地震で嘉島町のイオンモール熊本が被災し、同町支援のため代理寄付の受け付けを決めた。
寄付は、ふるさと納税仲介サイト「ふるさとチョイス」の災害支援寄付ページで受け付ける。12月31日までで、寄付金は市が嘉島町へ届ける。災害支援代理寄付は、被災自治体が罹災証明書の発行など災害対応や復旧・復興業務を優先できるよう、他の自治体が寄付の受け付け事務などを代行する仕組みだ。



