IBJが運営する「IBJ結婚みらい研究所」は7月16日、47都道府県別の婚活傾向に関する調査レポートを公開した。同レポートは、成婚者19,112名の成婚データをもとに作成され、地域ごとの人口構造が婚活市場に与える影響を分析している。
エリア別で男女の成婚率に顕著な差
エリア別で男女の成婚率を比較したところ、地域によって「成婚しやすい性別」が大きく異なることが判明した。東京都では男性の成婚率が41.1%と、女性の27.6%を13.5ポイント上回った。一方、北海道・東北、北関東・甲信越、東海・北陸の地方エリアでは女性の成婚率が男性を上回る結果となった。
この背景には、進学や就職を機に若年層、特に女性が地方から大都市圏へと流出する「人口の偏り」が影響していると考えられる。これにより「地方は女性が有利、都市部は男性が有利」という競争環境の差が生まれやすくなる。地域ごとの人口構造や男女比といったローカルな要因が、成婚のしやすさに直接反映されていることが示された。
東京都の成婚カップル、7割強は「男性が年上」
成婚カップルの年齢差を都道府県別に比較すると、男性年上では東京都(76.3%)や大阪府(74.1%)など大都市圏が上位に入る一方、女性年上では宮城県(26.1%)、栃木県(22.9%)、滋賀県(21.6%)など都市部以外の地域が上位を占めた。特に宮城県は、女性年上カップルの割合が26.1%と全国トップで、2位の栃木県を3ポイント以上上回った。
東北最大の都市・仙台市を中心に若年層が集まり、多様な価値観が形成されている地域性に加え、周辺県からの人口流入も影響し、年齢にとらわれない結婚スタイルが比較的浸透していると考えられる。この結果から、結婚相手に求める価値観にも地域性が表れていることがうかがえる。
「男性年上」の割合が減少傾向
全国では「男性が年上」のカップルが依然として主流である一方、その割合は2017年の83%から2025年には72%へと11ポイント減少した。首都圏ベッドタウンでは全国平均を上回るペースで変化が進んでおり、結婚相手に求める条件が「年齢」から「価値観や相性」へと移りつつあることがうかがえる。
「男性が年上」という従来型の結婚スタイルは変化しつつあり、結婚相手に求める価値観が多様化していることがデータから読み取れる。
男女で異なる「成婚しやすい県」
男女別の成婚率を都道府県別に比較すると、男性では東京都(41.1%)、京都府(39.2%)、神奈川県(38.6%)と都市部が上位を占めた。一方、女性では三重県(40.2%)、群馬県(37.2%)、宮城県(35.8%)と地方県が上位となり、男女で成婚しやすい地域が大きく異なる結果となった。
一般的には「出会いが多い都市部ほど結婚しやすい」というイメージを持ちやすいが、今回の結果からは、成婚のしやすさは人口規模だけでは決まらないことが分かる。地域ごとの人口構造や男女比、進学・就職による人口移動などによって婚活市場の環境は異なり、その違いが男女別の成婚率にも表れていると考えられる。
今回の分析では、地域によって「成婚しやすい性別」が異なることに加え、結婚相手の年齢差にも地域性が見られる傾向が明らかになった。婚活市場は全国一律ではなく、それぞれの地域が異なる特徴を持つ「地域性のある市場」であることが明らかになった。
少子化対策や結婚支援を進める自治体においても、「出会いの場を増やす」という一律の施策だけではなく、地域の人口構造や婚活市場の特徴を踏まえた支援が、これまで以上に重要になっていくと考えられる。



