宇都宮市長、市中心部クマ出没で緊急銃猟「できなかった」 対策の困難さ痛感
宇都宮市長、クマ出没で緊急銃猟「できず」 困難さ痛感

約51万人が暮らす北関東最大の都市・宇都宮市の中心部に6月上旬、体長1メートルほど、体重100キロ弱のオスのクマが出没し、3日間にわたって居座った。捕獲作戦の責任者として急きょ矢面に立った佐藤栄一市長は「本当にびっくりした」と振り返り、住宅密集地のため2025年9月に始まったばかりの「緊急銃猟」を断念した経緯を明かした。実際の対応を通じて見えてきた課題とは何か。市長に聞いた。

想定外のクマ出没、事前訓練も間に合わず

佐藤市長は「東京に近いし、栃木県内で出ても宇都宮以外と思っていた。早め早めの対策をしようと、3月に緊急銃猟マニュアルを作り、図上訓練、実地訓練の日程も決まったところに出没があり、本当にびっくりした」と述べた。市は2025年9月に緊急銃猟制度を導入していたが、実際の出動には至らなかった。

クマは6月6日(土)から3日間、市街地を流れる川を泳いだ後、のり面をよじ登るなどして移動。市は即座に対策本部を設置し、猟友会、警察、消防が連携したが、クマの動きに翻弄されたという。

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住宅密集地で緊急銃猟は不可能

佐藤市長は「住宅密集地のため、緊急銃猟はできなかった」と明言。緊急銃猟は市街地での銃器使用を認める制度だが、住民の安全確保が最優先と判断した。代わりに、市は麻酔銃や捕獲わなの使用を検討したが、クマが人前に現れず、効果的な捕獲が難航した。

「猟友会、警察、消防がそろったが、クマに翻弄されたような始まりだった」と市長は当時を振り返る。日曜日の午前2時には連絡が入るなど、24時間体制での対応を余儀なくされた。

市長が痛感した課題と今後の対策

今回の経験から、佐藤市長は市街地でのクマ対策の難しさを痛感した。特に、緊急銃猟が使えない場合の代替手段の確保や、関係機関との連携強化が急務だと指摘。市は今後、より実践的な訓練の実施や、住民への注意喚起の徹底を図る方針だ。

「クマとのすみ分けができていると思っていたが、現実は甘くなかった」と市長。宇都宮市では比較的出没が少なかったが、今回の事態を受け、全市的な対策の見直しを進める。

クマ被害相次ぐ中での教訓

全国的にクマの出没が相次ぐ中、宇都宮市の事例は都市部での対応の難しさを浮き彫りにした。山形県などでは緊急銃猟の活用が進むが、住宅密集地では困難が伴う。佐藤市長は「ハンターの確保や、警察との連携も課題。市としてできることを模索したい」と述べ、今後の対策に意欲を示した。

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