東武日光線新鹿沼駅で20日、作業員4人が特急列車に接触して死亡した事故は、見張りの作業員が列車に退避完了合図を出す中で起きた。作業員が退避する過程で何らかのトラブルがあったとみられる。
事故の経緯と見張り体制
東武鉄道は同日夜、東京都内で記者会見を開いた。同社によると、新鹿沼駅構内のホーム下の線路上で作業員は除草剤を散布していた。上り線の見張りは2人で行うことになっていたが、当時は1人が意思疎通できず、現場から80メートル付近にいたもう1人が列車に対し、退避完了を意味する黄色の旗で合図し、列車側は警笛で反応した。合図を出した経緯は現在確認中だという。
通常の安全手順と近年の対策
見張り作業員は通常、列車接近時には作業員に退避を促し、退避完了を確認した上で列車に黄色い旗を掲げるなどして合図する。退避が完了していないなどの危険がある場合は赤色の旗で列車を緊急停車させる手順になっているという。維持管理のため作業員が線路に立ち入る場合、通常は夜間に列車を接近させない「線路閉鎖」手続きを取って行うが、簡単な作業は見張り員を配置して日中に行うことが多い。東武も安全確認が徹底できる場合は日中に行えることとしていた。
近年は安全管理が徹底される。JR東日本は列車接近を無線で受信する警告機を作業員全員が身に着ける。赤外線センサーやレーザー、AIカメラの活用例もある。ただ、運行本数が少ない路線を中心にマンパワー頼みになりがちだ。
鉄道関係者の見解
保線作業に詳しい大手鉄道関係者は「最近は運行時間中の線路立ち入りを避けるほど意識が変わっている。今時では考えられない事故だ」と話した。



