長野県は7月11日から20日までの10日間、「令和8年 夏の交通安全やまびこ運動」を実施している。7月14日早朝、JR長野駅東口の自転車駐輪場では、主催する長野県と三井住友海上火災保険、協力する長野市、長野県警察本部、企業の担当者らが自転車の安全利用を呼びかけた。
自転車事故と高齢者事故の抑制へ
初夏の日差しの下、朝から気温が急上昇したこの日。通勤通学の時間帯とあり、駐輪場は長野駅を利用する学生や社会人の姿が多く見られた。
今シーズンの啓発活動では、長野県および各市町村が課題とする「自転車事故」「高齢者事故」の抑制を目的にした啓発チラシを配布。あわせて自転車利用者に対し、安全利用やヘルメットの着用を呼びかけた。
啓発活動には、長野市交通安全推進マスコットのカモシレ、長野県PRキャラクターのアルクマのほか、長野市をホームタウンとするB.LEAGUEのプロバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」、長野市を拠点とするJ3リーグのサッカークラブ「AC長野パルセイロ」のメンバーも加わった。
300部用意した啓発チラシは、わずか30分で配布を終了。三井住友海上の福地一歩さんは「本日は、町行く方のお顔を見ながら啓発チラシを渡せました。当社では交通事故のない世界を目指し、引き続き皆さんと連携しながら啓発活動を行ってまいります」と総括した。
若年層の自転車事故に焦点
三井住友海上 関東甲信越損害サポート第二部長の中島拓也さんは「これまで保険会社として、日常的に交通事故の対応をする中で『もっと交通事故を減らせないだろうか』と常々思ってきました。本日は、長野県、長野市、長野県警のほか、地元のスポーツ団体、地域に根ざした民間企業の皆さんとも協力して、交通安全の啓発活動を実施できました。当社としても、非常に励みになります」と話した。
中島さんによれば、昨年来、県内で発生する自転車事故の約49%に中学生から20代の若年層が関与している。そこで三井住友海上としても、若年層の自転車事故を減らすことに注力してきた。「昨年度は、大学のボランティア団体の皆さんと連携して、校内で啓発活動を行いました」と中島さん。福地さんは「直近では青切符制度の導入もあり、いま自転車の交通ルールに関して世間の注目が集まっています。そこで、ながらスマホ防止も含めていま一度、正しい交通ルールの周知徹底を行っていきます」と話す。
ヘルメット着用の重要性
自転車の青切符制度については、ヘルメットの着用が「努力義務」であることもよく話題に上る。これについて中島さんは「長野県内における自転車利用者のヘルメットの着用率は(他県と比較すると)高めの印象です。ヘルメットを使用することで、重大事故につながる確率が2割以上も違ってくる、というデータもあります。私たちとしても、ヘルメット着用の必要性を粘り強く訴え続けていきます」とする。
三井住友海上が提供する自動車保険の中には「日常生活賠償特約」がある。「そちらを付帯いただくことで、自転車事故を含め、賠償責任を負うような事故全般をカバーいたします。ご家族で入れますので、お子さまの自転車事故も補償できます」と福地さん。
群馬県での取り組みも
三井住友海上 関東甲信越損害サポートでは、長野県外のエリアも管轄。新潟県、群馬県も担当する中島さんは「群馬県の例になりますが、昨年、同県内の小学6年生を対象に出前授業を行いました。危険予測トレーニングというテーマで、当社の社員が教壇に立ち、45分授業の中で“自転車安全利用五則”のルールをお伝えし、また道路のどこに危険が潜んでいるか、ディスカッションも行いました」と紹介。学校・自治体から要望があり、今年度も実施予定だという。
高齢者の交通事故対策についても、群馬県の例を紹介。「同県では夜間の高齢者の死亡事故が後を絶たない、という課題がありました。そこで昨年度、高齢者がタスキがけで身に付けられる反射材をつくり、当社から群馬県警に寄贈しました。秋の全国交通安全運動で県警と一緒に配布し、啓発活動を行いました」と話す。
最後に、中島さんは「引き続き産学官の連携で、民間企業、教育機関、自治体、県警などと協力しながら防災・減災を実現していきます。当社からも知見、データを提供し、1日も早く交通事故のない世界を作っていけたら。これからも使命感をもってやっていきます」と話した。



