26歳のサーファー女性・梅津絵里さんは、強い倦怠感や手のこわばり、脱毛、口内炎、顔の赤みといった症状を「ただの夏バテ」と自己判断し、放置した。しかし、症状は悪化し、意識を失って寝たきり状態に。その後、約6年にわたる入院とリハビリを経て、退院を果たした。
小さな目標を積み重ねたリハビリ
梅津さんはリハビリの中で、「一人でトイレに行く」「外へ散歩に行く」といった生活の中での小さな目標を一つずつ立てていった。目標をクリアするたびに、夫や家族、病院のスタッフが本人以上に喜んでくれたという。梅津さんは「自分が頑張ることで、周りの人が笑顔になってくれる。その経験を積むことで、“生きたい”という前向きな気持ちが少しずつ大きくなっていきました」と振り返る。
リハビリを続けた結果、数年後には病院に外出届を出し、大好きなアーティストのライブに行けるほどにまで回復した。梅津さんは「ライブのために外出届を出した患者は私が初めてだったようですが(笑)。日常の楽しみだけでなく、大切な家族や友人が私を励まし続けてくれたことも、本当に大きな励みになりました。特に夫には何度もネガティブな思いをぶつけてしまったけれど、それでもひたむきに私を支えてくれて。彼のおかげで、入院中も笑顔が増えました」と語る。
退院までの道のりと医師の見解
最終的に梅津さんは気管切開を閉じる手術を終え、一つひとつ退院に必要な条件をクリアしながら、退院の日を迎えた。28歳で意識を失ってから、既に6年もの歳月が流れていた。
「ただの疲れ」と「病気のサイン」を見分ける方法について、総合診療医の舛森悠氏は次の3つの目安を挙げる。①休んでも回復しない、②2週間以上続く、③複数の症状が同時に起きている。梅津さんの場合、強い倦怠感に加えて手のこわばり、脱毛、口内炎、顔の赤みが重なっていた。夏バテや一時的な疲労で、これだけの症状が同時に、しかも数週間以上続くことはまずないという。
特に若い女性で、日光に当たると悪化する皮疹や、朝方の手のこわばりが続く場合は、膠原病の可能性を考える。まずは内科やかかりつけ医を受診し、「いつから」「どんな症状が」「同時に何が起きているか」を伝えることが重要だと舛森医師は指摘する。血液検査で手がかりが得られることも多く、必要に応じて専門の科へつないでもらえるという。



