庄川で続く渇水の影響で、国土交通省北陸地方整備局富山河川国道事務所は26日、対策として一時的に貯水を放流している小牧ダム(砺波市)と祖山ダム(南砺市)の水が、29日にも底をつく見通しだと明らかにした。すでに上流の御母衣ダム(岐阜県白川村)では、放流できる水がほぼなくなっている。
取水制限は維持、農業用水は大幅減
同事務所が26日に富山市内で記者会見を開いて説明した。庄川を巡っては、上流の御母衣ダムが深刻な水不足に陥っているとして、水道事業者や農業用水を管理する土地改良区などを対象に、7日から取水量を自主的に2割減らす措置をとっている。
さらに、同じ庄川水系で関西電力が管理する小牧ダムと祖山ダムから、1日あたり合計で300万立方メートルの水を放流して補っている。しかし、25日時点の両ダムの貯水率は3~5割程度で、雨不足が続くと29日にもゼロになる恐れがある。
生活用水を優先、農業用水は4割に
県西部を中心に給水人口が約40万人に上る生活用水を優先的に確保するため、上水道にかける自主的な取水制限は2割を維持する。一方、農業用水などに使える水は、取水が許可されている全体の水量の4割程度に落ち込む。土地改良区は、農業関係者に適切な水量管理を呼びかける。
同事務所は今後、流量が減ってアユなどの魚類への影響が出たり、河口で海水が遡上したりする可能性もあるとした。中谷洋明・事務所長は「厳しい渇水にあっても、透明性の高い調整を図り、(協力の)輪を作れるように努力したい」と述べた。
遊覧船は運航見合わせ、観光への影響も
庄川で続く渇水を受け、小牧ダムなどを発着する庄川峡遊覧船が運航を見合わせ、地元から心配の声が相次いでいる。26日夕、小牧ダムの状況を見に遊覧船の船着き場を訪れた南砺市の農業・森田晶子さん(72)は「対岸の地肌がむき出しになるほど、小牧ダムの水が減っているのは初めて見た」と驚いた様子で、「(早生の)コメは稲刈りを終えて、農業用水の心配はなさそうなのが不幸中の幸い。庄川のアユや、観光客が来なくなることが心配だ」と話した。
遊覧船で訪れることができる大牧温泉観光旅館(南砺市利賀村大牧)も対応に追われている。同旅館は「秘境の一軒宿」として9~11月のハイシーズンには月に約1500人が訪れるが、遊覧船の休止を受け、臨時のマイクロバスなどで宿泊客を送迎している。数件のキャンセルも出たといい、旅館の関係者は「どれだけ雨が降れば戻るのか心配だ」と嘆いている。



