梅雹害対策で枝葉を「傘」に 県うめ研究所が効果確認
梅雹害対策で枝葉を「傘」に 県うめ研究所が効果確認

県内で特産の梅の雹(ひょう)被害が続く中、県うめ研究所(みなべ町)は今年度から対策の研究に乗り出し、枝葉を茂らせて傘のように実を守る方法などで一定の効果を確認した。

枝葉を束ねて傘代わりに

県内では近年、春先の降雹で梅が傷つく被害が相次いでいる。県によると、雹による梅への被害額は2024年度に約21億5300万円、2025年度には約47億7800万円に上り、今年も田辺市の一部で被害が出た。傷ついた実は見た目が悪いため規格外品となり、高品質な「秀品」の半分ほどまで価格が下がるとされる。

研究所は今年度から5年計画で被害軽減の研究を開始。4月から、幹がまっすぐ伸びた樹形の木を対象に、上部の枝を曲げて結束バンドで束ね、枝葉の密度を高める方法を試した。隣り合う木の枝同士を束ねる方式も検証した。

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実験で一定の効果

4月中に雹が観測できなかったため、研究所はブロワーで直径約1センチの砂利を木に吹き付ける実験を実施し、6月に実を収穫して分析した。その結果、傷ついた実の割合は上部の枝を束ねる方法で23.9%、隣り合う木の枝同士を束ねる方法で24.9%となり、対策をしない木の41%より低く抑えられた。

今回の対策は、防雹ネットで木を覆う場合に比べて資材費が抑えられ、草刈りや消毒液散布などの作業への影響も少ないという。

今後の展望

研究所は引き続き対策の経過観察を続ける。沼田晃千月(きせき)研究員は「枝葉が来春までにもっと茂れば、さらに防雹効果が出るのではと期待している。今後も設置のコストや労力も含めて様々な対策を検討し、できるだけ農家が取り入れやすい方法を模索したい」と話した。

気象庁によると、雹は大気中で直径5ミリ以上の大きさに成長した氷の塊で、地表と大気の寒暖差で積乱雲が発達し、氷の粒が雲の中で気流に乗って上下に往復することで水滴を巻き込んで成長する。局所的な現象のため、気象庁は降雹の統計を取っておらず、詳しい発生頻度の推移は分からない。

農林水産省によると、2022年5~6月には関東や東北の広範囲で雹が降り、農作物などの被害額は計約91億円に上った。2025年5月には長野県で約4億7700万円、今年5月には福島県で約6億5000万円の被害が出た。同省果樹・茶グループの担当者は「近年、各地で雹被害が目立ってきている。降雹は予想がしづらいものの、農業経営収入保険に加入したり、被害の多い地域では防雹ネットを設置したりするなどして対策してほしい」としている。

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