能登半島地震から1年、避難生活続く被災者の現状と課題
能登半島地震1年、避難生活の現状と課題

能登半島地震の発生から1年が経過したが、今なお約2000人が避難生活を強いられている。石川県の発表によれば、2026年7月20日時点で、県内の避難所や仮設住宅での生活者は1968人に上る。特に高齢者の割合が高く、仮設住宅での孤独死や健康悪化が懸念されている。

仮設住宅での生活と課題

七尾市の仮設住宅団地では、住民の約7割が65歳以上の高齢者だ。自治会長の田中さん(72)は「毎日のように一人暮らしの高齢者が体調を崩している。地域の見守りが必要だが、人手が足りない」と話す。石川県は訪問看護や見守りサービスを拡充しているが、十分に行き届いていないのが実情だ。

また、仮設住宅の入居期間は原則2年とされており、2027年7月までに退去しなければならない。しかし、復興が遅れる地域では、恒久住宅への移行が進まず、多くの被災者が不安を抱えている。輪島市の被災者、佐藤さん(58)は「自宅を再建したいが、資金が足りない。仮設住宅を追い出されたらどうすればいいのか」と語る。

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復興の遅れと行政の対応

石川県は復興計画を策定し、2027年度までに約1万戸の災害公営住宅を整備する方針だ。しかし、用地確保や建設業者の不足から、進捗は計画の約3割にとどまっている。県の担当者は「人手不足が深刻で、工期が遅れている。被災者の理解を得ながら進めたい」と説明する。

さらに、地震で被災した農地や漁港の復旧も遅れている。能登地域の主要産業である農業と漁業の生産量は、地震前の6割程度にまで落ち込んでいる。地元の漁業組合長は「このままでは地域の産業が壊滅する。国や県のさらなる支援が必要だ」と訴える。

被災者の心のケア

避難生活の長期化に伴い、被災者の精神的な負担も増大している。石川県の調査では、被災者の約4割がPTSDの症状を訴えている。専門家は「孤独や不安からうつ病になるリスクが高い。定期的なカウンセリングとコミュニティの場が必要」と指摘する。

一方で、地域のボランティア団体がサロン活動を始めるなど、被災者同士の交流を促進する取り組みも広がっている。七尾市のボランティアリーダーは「少しでも笑顔を取り戻せるよう、ゆるやかなつながりを大切にしたい」と話す。

能登半島地震からの復興は道半ばである。被災者の生活再建と地域の再生に向け、長期的な視点での支援が求められている。

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