福岡市東区の海の中道大橋で幼いきょうだい3人が犠牲となった2006年の飲酒運転事故から20年となった25日、県警は九州各県の県警とともに、初めてとなる飲酒運転の一斉取り締まりに臨んだ。県内の飲酒運転検挙件数は罰則が強化された07年に大幅に減少したものの、近年は横ばいの状態が続いており、県警などは事件を風化させないよう、警鐘を鳴らしている。
県内21か所で検問、約150台を検査
25日夜、県内21か所で検問が実施された。大分市の三海橋では午後10時から同11時半にかけて、警察官計19人が車両を誘導し、「25日は海の中道の大きな事故があったので、九州一斉に検問をしています」「飲んだらのれん、ということで飲酒運転しないでくださいね」などと伝えながら、アルコール検知器を用いた検査や運転免許証所持の確認などを行った。
三海橋では約150台に対して検問を行った。運転手が「おつかれさまです」などと言葉をかけ、丁寧に応じる場面も見られた。
検挙件数は増加傾向、人身事故も横ばい
今回の検問では、県内全体で1件の自転車の飲酒運転が摘発された。県警交通指導課の藤沢幸児次席は「検挙数0には及ばなかった」として、「飲酒運転は非常に危険な行為。呼びかけと取り締まりを並行して行い、根絶を目指したい」と力強く訴えた。
県警がまとめた過去25年間の飲酒運転検挙件数によると、事故前の05年までは年間2000~3000件前後の水準で推移していたが、事故やその後の厳罰化を受け、07年には555件に激減。11年には300件を割った。しかし、そこから減少ペースが落ちてほぼ横ばいとなり、過去3年では一転して増加傾向に。25年は277件(速報値)と、18年以来の高い水準となった。今年も7月末までに既に130件に上っている。
飲酒運転の人身事故、死亡事故はゼロの年なし
飲酒運転を伴う人身事故件数も同様だ。過去25年間のうち最多だった01年(187件)から事故があった06年(108件)までおおむねなだらかに減少した後、07年に56件と前年の約半数まで急減。だが、過去10年間は20~35件の間で横ばいに推移している。また、このうち死亡事故は01年から去年にかけて0件になった年がない。県警交通企画課によると、15~24年の集計では、飲酒運転の事故は午前6~8時の時間帯が最も多いという。
7月21日には改正道路交通法の施行により、酒酔い運転について呼気1リットル中のアルコール濃度で0・5ミリ・グラム以上という数値基準が設けられるなど、飲酒運転の厳罰化がさらに進んだ。県交通安全推進協議会の事務局を務める県生活環境企画課は「飲酒運転の根絶に向けて、社会全体で飲酒運転を許さない機運の醸成に取り組んでいきたい」としている。



