熊本地震の発生から10日が過ぎたが、様々な事情で自宅などで過ごす被災者がいる。居場所を問わない支援のあり方が模索されている。
「涼しい環境で、必要な物資もご用意しています。我慢せず、遠慮せず避難所をご利用ください」。熊本県氷川町は5日から、在宅避難や車中泊をしている被災者向けに、防災無線で呼びかけを始めた。
自宅に残る高齢者、避難所に「行く気なか」
震度7を観測した町は全壊の住家が約160棟に上る。木村司さん(86)夫妻が住む木造平屋の建物も傾く。棚や障子が倒れたままの室内で在宅避難を続ける。停電による暑さで家の中に居られず、玄関前に布団を敷いて寝た夜もあった。それでも、「避難所は行く気なか」。
耳が遠くて夫婦の会話が大きな声になったり、トイレが近かったりと避難所では心労がたまる。大勢の人が肩を寄せるように過ごす環境では落ち着けない、というのが一番の理由だ。町内で「空き巣」があったと聞き、自宅を離れがたい気持ちが強くなった。
「我慢して家に残らんと」
現在は電気が戻り、傷みの少なかった寝室で主に過ごしている。「大きな余震も来んけん、怖くなか」と木村さん。だが、応急の危険度判定の結果、「この建築物に立ち入ることは危険です」と書いた赤紙が壁に貼られている。
八代市鏡町の西村喜代子さん(86)も被災した自宅でひとり暮らしをしている。2016年の震災では余震の不安から、自転車をこいで片道約20分の避難所に行き、夜を過ごす生活を2週間続けた。昨年、腰の骨を折って自転車に乗れなくなった。夜は避難所に行きたいが、毎…



