太平洋戦争中にバシー海峡で戦死した旧日本軍兵士らが漂着したとされる台湾南部の海岸で20日、日本政府による遺骨の発掘調査が始まった。日本と台湾は1972年以降、外交関係がないため、調査が進んでおらず、約半世紀ぶりの遺骨収容が期待される。
半世紀ぶりの調査、10人のチームが手作業で発掘
調査は31日まで、厚生労働省から事業委託を受ける一般社団法人「日本戦没者遺骨収集推進協会」の職員や現地ボランティアを含む計約10人が行う。遺骨の埋葬地とされる2か所で、2メートル四方、深さ3~4メートルの範囲をスコップなどを使い手作業で掘り進める。
今回の調査で遺骨が見つかった場合は台湾に仮安置し、次回の調査で日本人とみられる遺骨から検体を採取して日本に持ち帰る計画だ。
「輸送船の墓場」で10万人以上が犠牲
戦時中、旧日本軍兵士らを輸送する多くの艦船が、台湾とフィリピンの間に位置するバシー海峡周辺で米軍に撃沈された。バシー海峡は「輸送船の墓場」と呼ばれ、計10万人以上が犠牲になったとされる。
屏東県の海岸に流れ着いた多くの遺体は、住民が火葬して埋葬したとの証言がある。ただ、海岸の地形は高波や台風などで変化し、遺骨が流出している可能性もある。遺骨や遺留品が見つかっても、身元特定に必要なDNAを採取できる遺族も多くが亡くなっているとみられ、特定作業は困難が予想される。
調査団長「一日も早く遺骨を見つけて送還したい」
調査派遣団の井上達昭団長は、「遺骨の帰りを待つご遺族、ご家族には大変お待たせして申し訳ない。一日も早く遺骨を見つけて日本に送還したい」と話した。



