茨城県警は、「犯罪総量抑制プラン」に基づく令和8年上半期の犯罪発生状況(暫定値)を発表した。刑法犯認知件数は前年同期比9.1%減の8834件で、検挙率は同6.4ポイント増の45.0%に上昇した。
県内で多発が問題となってきた自動車盗の認知件数も、同53.6%減の168件となった。ただ、大幅に減ったとはいえ全国ワースト6位という高い水準にあり、県警は、窃盗グループの拠点となる中古車解体施設「ヤード」の取り締まりに注力する。
搬出しやすい地理的要因
発表によると、重要犯罪の認知件数は130件(前年同期比25.0%増)に増えたものの、検挙率は84.6%の高水準を維持した。自動車盗と並ぶ課題と位置づけられる金属盗の認知件数は730件(同13.0%減)となり、検挙率は全国平均を6.9ポイント上回る42.6%だった。
自動車盗の認知件数は、愛知、埼玉、千葉、大阪、神奈川の各府県に次いで多かった。市町村別では、土浦市が全国ワースト2位となる32件、前年同期に全国ワースト1位(98件)だったつくば市が17件、水戸市と古河市が各11件だった。
自動車盗が多い背景としては、常磐道や圏央道などの高速道路網が発達し、盗難車を県外や港湾へ迅速に搬出しやすい地理的要因が指摘される。広大な平地や過疎地が多くヤードを設置しやすい上、車社会である点や防犯意識の希薄さも遠因になっているとされる。
立ち入り検査102件
こうした事情を踏まえ、県警は盗難車の搬出や解体の拠点となるヤードに照準を定めている。立ち入り検査と法令違反への行政処分を強化し、上半期は102件の立ち入りと12件の行政処分を行った。
加えて、ハンドルロックなどの防犯機器の活用を呼びかけ、「自動車防犯診断」を通じて県民の防犯意識向上にも努めている。県警幹部は「自動車盗は、減少傾向でも安堵できない。地理的要因などの特有の背景があり、対策は容易ではないが、手口に特化した対策を深めると同時に官民一体となった防犯意識の向上が不可欠だ」と話している。



