帝国データバンクが実施した調査で、国内で夏季に開催される主要な花火大会の約8割が「有料観覧席」を導入していることが分かった。このうち半数以上の大会で料金を値上げしていた。
有料席導入率は8割、半数超が値上げ
調査対象の106の花火大会のうち、有料席を設けていたのは84大会だった。導入率は前年と同水準だった一方、45大会では料金を値上げした。
1区画(席)当たりで最安値の「一般席」のチケット平均価格は5517円で、前年から231円(4.4%)増加した。コロナ禍後の2023年からは約16%値上がりした。
プレミアム席は平均4万円超え、過去最大の差
最前列席やテーブル席、ソファ席などの「プレミアム席」(最高額)は平均4万611円となり、前年から2807円(7.4%)上昇した。平均価格が4万円を超えたのは調査開始以来初めてで、2023年からは約23%増加した。
有料席のラインアップを充実させる動きもある。観覧エリアなどへの入場料を数千円に引き下げる一方、最も花火を見やすい場所に設けた席では、ふるさと納税を活用したチケット販売や設備・アメニティーの充実により、1区画(席)当たり5万円以上のチケットを設ける大会も多い。
一般席とプレミアム席の平均価格の差は7.36倍となり、前年の7.15倍を上回り過去最大となった。高価格帯の席はインバウンドの富裕層や記念日などの利用向けに、比較的安価な席は混雑や場所取りを避けたいファミリー層や若年層向けに販売が好調だという。
コスト高や警備強化が背景に
花火大会の運営を巡っては、観客の転落やけがなどの雑踏事故やテロへの対策として警備体制の強化が求められている一方、地域商工会や自治会では高齢化が進み、運営の担い手が不足している。このため、警備会社やイベント運営会社に委託せざるを得なくなっているほか、人件費や花火原材料費、備品レンタル代なども上昇しているという。
会場近辺での国際競技大会の開催といった特需事項もあるものの、コスト高騰などを背景に2026年の開催を中止、または未定とした大会は5大会に上った。
帝国データバンクは「物価高による節約志向で消費者の選別眼もシビアになるなか、花火観覧を含めた体験価値に見合う『妥当な価格設定』を探る展開が続くとみられる」とコメントした。
本調査は全国の花火大会のうち、動員客数が10万人以上(平年、2023年調査時点)の106大会を対象に実施した。チケット価格は7月17日時点の情報を集計した。



