警察官をかたる特殊詐欺、いわゆる「ニセ警察詐欺」で、被害者に金地金を購入させる手口が急増している。警察庁のまとめによると、2025年には163件発生し、被害総額は約58億円に上った。2026年も1月から5月までの間に、すでに40億円以上の被害が確認されている。1件当たりの被害額が高額であることが特徴で、警察は対策を強化している。
手口の詳細と被害の実態
ニセ警察詐欺は、警察官を装った人物がSNSのビデオ通話で「逮捕状」の画像などを示し、金銭を要求する手口だ。多くの場合、「資金洗浄の容疑があり、資産調査の必要がある」と告げられる。金地金を購入させる際には、「金の購入で調査が短期間にできる」「金地金を換金して資産調査をする」などと持ちかけられる。購入場所の指示や購入方法の説明があるケースもあり、その後は金地金を被害者宅に受け取りに来たり、公園や駐車場に置くよう伝えられたりするという。
背景にある金価格高騰と手口の巧妙化
被害急増の背景には、金地金の持ち運びのしやすさと金の価格高騰があると警察庁はみている。購入方法を説明し、実際に購入させる一連の動きは犯行グループにとって「手間」になるものの、上限がある銀行振り込みを何度もさせるより、一度に多額を得られるメリットがあるという。警察庁は「金地金を購入させる詐欺は、1件当たりの被害額が大きくなりやすい」と注意を呼びかけている。
警察の対策と今後の課題
警察は、SNS上での不審な連絡に警戒するよう呼びかけるとともに、金融機関に対して高額の金地金購入取引の報告を求めるなど、関係機関との連携を強化している。また、特殊詐欺の一環として、金地金を狙った手口が今後も増加する可能性があり、国民への注意喚起を継続する方針だ。



